慶應義塾大学と帝京大学は、アトピー性皮膚炎患者向け投稿アプリを用いて、患者自身が撮影した皮疹画像から重症度をAIが自動で解析、評価するAIモデルを開発した。
慶應義塾大学は2025年5月20日、アトピー性皮膚炎患者向け投稿アプリを用いて、患者自身が撮影した皮疹画像から重症度をAI(人工知能)が自動で解析、評価するAIモデルを開発したと発表した。帝京大学との共同研究による成果だ。
使用するデータは、アトピー性皮膚炎患者約2.8万人が参加する、国内最大級の投稿型アプリ「アトピヨ」に蓄積されたデータだ。アトピヨには、約5.7万枚の画像が投稿されている。
患者が投稿した画像では、医療機関で撮影された画像と異なり、光や角度、背景などさまざまなノイズを考慮する必要がある。そのためAIモデルは、「身体部位の検出」「皮疹部位の同定」「皮疹の重症度判定」の3つのアルゴリズムを統合した。
検証の結果、身体部位の同定率は98%、皮疹部位の同定率は100%で、重症度判定は専門医の評価と強い相関を示した。
このAIモデルは、患者自身が皮膚の状態を継続的、医学的、客観的に把握できるツールとして、患者一人一人のニーズに応じた医療支援に役立つと考えられる。今回の研究では主に日本人のデータを用いたが、今後は肌の色や質などさまざまなスキンタイプに対応した追加学習と検証を進め、汎用性の高いAIモデルの確立を目指すとしている。
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