新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のプロジェクトとして、通信機能を搭載した電動車いす「NRR(New Robot Rodem)」の実証実験がデンマークの2都市で始まる。NRRは、テムザックとNTTドコモが開発したものだ。
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は2014年6月11日、福祉機器ロボットを介護・医療現場で活用する実証試験をデンマークのコペンハーゲンとファーボ・ミッドフュンで開始したと発表した。
このプロジェクトには、テムザックとNTTドコモが参画。実証試験のため、両社が開発した通信機能搭載の電動車いす「NRR(New Robot Rodem)」を両都市の介護・福祉施設、高齢者住宅に導入している。
今後はプロジェクト期間中に、EU域内の福祉機器輸出に必要な欧州医療機器指令への適合を証明する「CEマーキング」の取得を目指す。実際に現地の施設で車いすを導入して実証データを取得するとともに、来年度の実用化を目指した開発を進め、NRRの将来的な普及拡大を図るとしている。
NEDOでは、今後高い成長が期待される医療・介護・健康・福祉などの生活支援関連産業において、ロボット技術を核とした生活支援システムの研究開発・実証を展開している。中でも海外実証事業では、導入地域のニーズや実証により得られた成果をフィードバックすることで、技術水準向上に加え、海外展開や市場化の促進等を図ることも目的としている。
少子高齢化が進むデンマークでは、医療や介護にかかる費用が国家財政に占める割合が大きく、しかも年々増加傾向にある。2014年3月には日本・デンマーク首脳会談で共同声明「ウェルフェアテクノロジー(ロボットのような支援器具及び技術)における具体的な協力」を発表しており、本プロジェクトも両国の協力関係の下で実施される。
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