J-オイルミルズは、大阪大学と共同開発した咀嚼(そしゃく)シミュレーターに、唾液を再現する液体を添加する新機能を搭載した。咀嚼の中後期における経時的変化を評価して、水分が少ない食品の「口どけ感」を可視化できる。
J-オイルミルズは2025年6月9日、大阪大学と共同開発した咀嚼(そしゃく)シミュレーターに、唾液を再現する液体を添加する新機能を搭載したと発表した。咀嚼の中後期における経時的変化を評価して、クッキーのように水分が少ない食品の「口どけ感」を可視化できる。
食品を評価する上で重要な咀嚼の工程は、「食べ物を歯でかむ」「すりつぶす」「舌で唾液と混ぜ合わせる」「整えてまとめる」の4工程だ。最終工程の「整えてまとめる」はこれまで評価が難しかったが、同社と大阪大学が開発した咀嚼シミュレーターはヒトの咀嚼過程の再現が可能で、「整えてまとめる」機能を有する。
今回、同シミュレーターに液体を添加する機能を搭載した。これにより、クッキーなど咀嚼に唾液を必要とする食品について、咀嚼の中後期で粘度が低下し大きく溶けたように感じる「口どけ感」を、力学データと画像データの両方で評価できるようになった。
味や香りだけでなく、食感も食品のおいしさに大きく影響する。しかし、食感を定量的に評価する力学試験において、従来の方法では、咀嚼初期の数かみ目までの物性しか計測できないため、ヒトの咀嚼過程で変化する食感を評価できなかった。
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