三菱重工工作機械は、ロボット用高精度歯車工作機械の「FR」シリーズとして、新たに外歯車加工用のホブ盤と内歯車加工用のギヤシェーパを開発した。
三菱重工工作機械は2020年8月4日、ロボット用歯車工作機械の「FR」シリーズとして、ホブ盤、ギヤシェーパを発表した。同月から発売する。
近年、ロボット関節部の精密減速機内部に用いる高精度小モジュール歯車の需要が高まっている。自動車用途などこれまでの量産用歯車はモジュール1~4、要求精度がISO8~9級だが、ロボット用途はモジュール1以下(主流は0.5)で要求精度ISO3~6級と、さらに精度の高さが求められる。
同社がロボット用歯車工作機械の「FR」シリーズとして新たに開発したのは、外歯車加工用の高精度ホブ盤「GE15FR」「GE15FR Plus」と、内歯車加工用の高精度ギヤシェーパ「SE25FR」「SC40FR」だ。
ホブ盤は、主軸とテーブル軸にダイレクトドライブ駆動方式のモーターと高い制御技術を採用。可能な限り機械誤差を抑制し、単一ピッチ誤差を1μmにした。歯車加工の精度クラスは、従来のISO6級相当からISO3級相当へと3段階向上。また、1分あたり最高8000回転の高速加工によって、従来の3分の1まで加工時間を短縮しており、生産性を向上する。
ギヤシェーパは、基幹部品であるカッターヘッドとテーブルに高精度ウォームホイルを採用した。また、機械の組み立て精度の管理値を厳格化したことで、歯車加工の精度クラスを従来のISO7級相当からISO5級相当へと2段階向上している。
同社は、高精度歯車の加工機だけでなく切削工具を製造し、切削加工のノウハウも有する。この強みを生かし、歯車の製造、加工に関してトータルで提案するなど、高精度歯車の製造に貢献する。
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