高精度歯車加工に適したロボット用歯車工作機械2機種、切削加工も可能FAニュース

三菱重工工作機械は、ロボット用高精度歯車工作機械の「FR」シリーズとして、新たに外歯車加工用のホブ盤と内歯車加工用のギヤシェーパを開発した。

» 2020年08月26日 07時00分 公開
[MONOist]

 三菱重工工作機械は2020年8月4日、ロボット用歯車工作機械の「FR」シリーズとして、ホブ盤、ギヤシェーパを発表した。同月から発売する。

 近年、ロボット関節部の精密減速機内部に用いる高精度小モジュール歯車の需要が高まっている。自動車用途などこれまでの量産用歯車はモジュール1〜4、要求精度がISO8〜9級だが、ロボット用途はモジュール1以下(主流は0.5)で要求精度ISO3〜6級と、さらに精度の高さが求められる。

キャプション モジュール(歯の大きさ)(クリックで拡大) 出典:三菱重工業

 同社がロボット用歯車工作機械の「FR」シリーズとして新たに開発したのは、外歯車加工用の高精度ホブ盤「GE15FR」「GE15FR Plus」と、内歯車加工用の高精度ギヤシェーパ「SE25FR」「SC40FR」だ。

 ホブ盤は、主軸とテーブル軸にダイレクトドライブ駆動方式のモーターと高い制御技術を採用。可能な限り機械誤差を抑制し、単一ピッチ誤差を1μmにした。歯車加工の精度クラスは、従来のISO6級相当からISO3級相当へと3段階向上。また、1分あたり最高8000回転の高速加工によって、従来の3分の1まで加工時間を短縮しており、生産性を向上する。

キャプション 高精度ホブ盤「GE15FR」「GE15FR Plus」(クリックで拡大) 出典:三菱重工業

 ギヤシェーパは、基幹部品であるカッターヘッドとテーブルに高精度ウォームホイルを採用した。また、機械の組み立て精度の管理値を厳格化したことで、歯車加工の精度クラスを従来のISO7級相当からISO5級相当へと2段階向上している。

キャプション 高精度ギヤシェーパ「SE25FR」「SC40FR」(クリックで拡大) 出典:三菱重工業

 同社は、高精度歯車の加工機だけでなく切削工具を製造し、切削加工のノウハウも有する。この強みを生かし、歯車の製造、加工に関してトータルで提案するなど、高精度歯車の製造に貢献する。

キャプション 従来機種(左)と「FR」シリーズ(右)の代表的な対象ワーク 出典:三菱重工業

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