ロボットと制御機器を一体シミュレーション、設計負担軽減と立ち上げ短期化に貢献FAニュース

オムロンは2020年3月25日、ロボットと周辺機器の動きを統合検証できるシミュレーションソフトウェア「Sysmac Studio 3Dシミュレーション」を同年4月から発売すると発表した。

» 2020年03月27日 07時00分 公開
[MONOist]

 オムロンは2020年3月25日、ロボットと周辺機器の動きを統合検証できるシミュレーションソフトウェア「Sysmac Studio 3Dシミュレーション」を同年4月から発売すると発表した。

photo オムロンが新たに発売する「Sysmac Studio 3Dシミュレーション」の画面例(クリックで拡大)

 「Sysmac Studio 3Dシミュレーション」は、オムロンの制御用コントローラー「NJ/NXシリーズ」のプログラミング用ソフト「Sysmac Studio」にシミュレーション機能のオプションライセンスを追加するだけで、生産設備の動作シミュレーションを簡単に実現するというものだ。

 従来の生産設備のシミュレーションソフトは、ロボット用のものと制御機器用のものが分かれており、個々にシミュレーションを行う必要があった。そのため、ロボットを組み込んだ生産ラインなどでは設備設計の負担となっていた。「Sysmac Studio 3Dシミュレーション」を使えば、ロボットとその他周辺機器を一括で制御、検証できるようになるため、設備設計の効率化と設備の生産能力向上を簡単に実現できるようになる。

 シミュレーション動作はエミュレーター方式で、実機の動作やリアルタイム性も高精度でシミュレーションできる。また、設備を実際に立ち上げる前にデジタル上で見える化し、動きの事前検証を行えるため、設備の生産能力の確認や立ち上げ、改造にかかる時間を短縮できる。設備稼働後は、実機の動作状況をデジタル上で確認し、モニタリングできるため、異常時の原因解明の短期化を実現できる。

 さらに、「Sysmac Studio 3Dシミュレーション」を使うことで、設備設計の早い段階で、設備の仕様設定を担うメカ設計者と、設備の制御プログラミングを担う電気設計者が協議しながら並行して設計できるようになるため、設備立ち上げ時のミスや後戻りを防止し、短期での立ち上げが可能となる。また、デジタル化された過去資産の再活用による、次回設備の立ち上げ容易化などにも貢献する。

シミュレーション画面のイメージ動画(クリックで動画再生)出典:オムロン

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