オムロンは「IIFES2019」(2019年11月27〜29日、東京ビッグサイト)において、ロボットハンドに搭載し、バラ積み部品を高速に認識する3D画像センシング技術を披露した。また、より小型の部品を認識できる技術も参考出品した。
オムロンは「IIFES2019」(2019年11月27〜29日、東京ビッグサイト)において、ロボットハンドに搭載し、バラ積み部品を高速に認識する3D画像センシング技術を披露した。また、より小型の部品を認識できる技術も参考出品した。
オムロンが開発したのは、複眼タイプの画像センサーで対象物の位置や姿勢を3次元で認識できるというものだ。ばら積み部品のピックアップは対象物の認識や多岐にわたる姿勢の対象物を正確につかむ動きの制御など、ロボットには非常に難易度が高いものだった。対象物の認識だけで見ても、従来は大型のカメラシステムをロボットなどの上部に付けて実現するようなケースが多かった。
部品の位置や姿勢を認識するには、3次元形状画像を生成する3D計測技術と、対象物の位置姿勢を認識する3D認識技術が必要となるが、オムロンが今回開発した技術は、独自のパターン照明を用いることで、1回の撮像で3D計測を可能とする技術である。加えて、対象物の位置姿勢を高速に認識するアルゴリズムを開発したことで、計測から認識までの時間を一般的な画像認識技術より大幅に短くしたということが特徴となる。これらの技術開発により約0.5秒での部品認識を可能とした。
加えて、カメラ本体を500gに小型・軽量化したことでロボットのハンド部分へ搭載できるようになり、さまざまな部品の柔軟な自動ピッキングを可能としている。認識できる部品のサイズは30×30mm以上だとしているが「技術的にはほぼ完成しており2020年夏頃の製品化を目指して調整などを進めている」(担当者)という。
IIFES会場ではさらに、小型サイズの部品認識にも対応する参考出品なども行った。小型のネジやプラスチック部品などの認識を可能としたものだが「まだカメラサイズも小さくできないためまずは、大型部品の認識から製品化しその動向を見て今後の動きを検討する」(担当者)としていた。
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