OPC UA対応の産業用コントローラー、ハイエンドからローエンドモデルまで拡充:FAニュース
シーメンスは、産業用コントローラー「SIMATIC S7-1200」のOPC UA対応モデルを発表した。OPC UAに対応したコントローラーを実装することで、さまざまな装置に同じ通信仕様でアクセス可能になり、装置の見える化を容易かつ安全に実施できる。
シーメンスは2020年2月5日、産業用コントローラー「SIMATIC S7-1200」のOPC UA対応モデルを発表した。ハイエンドモデル「SIMATIC S7-1500」に加え、ローエンドモデルでもOPC UA対応のコントローラーを提供する。
産業用コントローラー「SIMATIC S7-1200」のOPC UA対応モデル(クリックで拡大) 出典:シーメンス
S7-1200(ファームウェアV4.4)は、OPC UAの業界標準インタフェース(コンパニオン仕様)に対応。無償ソフトのOPC UAモデリングエディタ「SiOME」を利用すれば、S7-1200、S7-1500シリーズでOPC UAの業界標準インタフェースを容易に実装できる。S7-1200シリーズはOPC UAサーバに、S7-1500シリーズはOPC UAサーバおよびクライアントに対応する。
OPC UAは、特定のOSやプラットフォームに制限されず、マルチベンダー間でデータ交換が可能な産業用通信規格。Industry 4.0の標準通信規格に指定され、食品包装機械、射出成型機、工作機械など、さまざまな業界標準インタフェースとして定義された情報モデルに採用されている。
また、電子署名や暗号化通信に対応しており、IoT(モノのインターネット)化においてセキュアな通信を確保する。OPC UAに対応したコントローラーを実装することで、さまざまな装置に同じ通信仕様でアクセス可能になり、装置の見える化を容易かつ安全に実施できる。
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