2019 国際ロボット展 特集

ロボットハンド搭載型3D画像センシング技術を開発、バラ積み部品の認識を高速化FAニュース

オムロンは、高速で対象物を認識するロボットハンド搭載型3D画像センシング技術を開発した。約0.5秒での高速部品認識が可能で、これまで困難だったバラ積み状態の部品の組み立て工程を自動化できる。

» 2019年11月21日 07時00分 公開
[MONOist]

 オムロンは2019年11月11日、高速で対象物を認識するロボットハンド搭載型3D画像センシング技術を開発したと発表した。同技術を搭載した小型の3D画像センサーを、2020年に商品化する予定だ。

 新たに開発したのは、小型の画像センサーで対象物の位置や姿勢を3次元で認識する画像センシング技術だ。同技術をロボットに搭載することで、これまで困難だったバラ積み状態の部品の組み立て工程を、高速かつ正確に自動化できる。

 バラ積み状態の部品のピッキング作業の自動化には、部品の位置や姿勢を即座に認識する高速な3D画像センシング技術が必要だった。そのためには、3次元形状画像を生成する3D計測技術と、対象物の位置姿勢を認識する3D認識技術の高速化が必須となる。

 従来の位相シフト方式による3D計測技術では、10回以上の撮像が必要なため、計測に時間を要していた。同社は独自のパターン照明を用いることで、1回の撮像で生成が可能な3D計測技術を開発。また、3D認識技術においては、対象物の位置姿勢を高速に認識するアルゴリズムを開発した。

 これらの技術により、ロボットのピッキング動作を妨げない約0.5秒での高速部品認識が可能となった。さらに、カメラを小型化、かつ約500gに軽量化したことで、小型ロボットのハンド部分へ搭載可能となった。3D画像センサーの視点を移動できるため、さまざまな位置姿勢の部品に対応する柔軟な自動ピッキングシステムの構築が可能となる。

 同技術を搭載したピッキングシステムを、東京ビッグサイトで2019年11月27〜29日に開催される「IIFES2019」、同年12月18〜21日に開催される「iREX2019」に出展する。

photo 部品の位置姿勢認識イメージ 出典:オムロン
photo ロボットと3D画像センサーの組み合わせイメージ 出典:オムロン
photo バラ積み部品のピッキングイメージ 出典:オムロン

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