2つの成膜工程を一体型したロールtoロール成膜装置 : FAニュース
日立造船は、フィルム基板対応の反射防止膜と防汚膜の成膜工程を一体型した、ロールtoロール成膜装置「HARD-F series」を発売した。製造ラインをコンパクトにし、製造時間を短縮する他、膜の防汚、耐久性能が2倍以上に向上している。
日立造船は2018年11月26日、フィルム基板対応の反射防止膜(AR膜)と防汚膜(AF膜)の成膜工程を一体型した、ロールtoロール成膜装置「HARD-F series」を発売した。
HARD-F seriesは、AR膜とAF膜、2つの成膜プロセスが一体化しており、フィルム基板上にAR膜とAF膜を連続で成膜できることから、製造ラインがコンパクトになる。
また、AR膜にスパッタ法、AF膜には面蒸着法を転用したインライン蒸着法と、同社独自の開発技術を採用。インライン蒸着法によってAF膜の乾燥工程が不要になり、これまで約20m程度だった製造ラインを10m以下までコンパクト化できる。さらに乾燥工程がなくなったことにより、製造時間も3分の2程度に短縮する。
成膜効率だけでなく、品質も向上している。製造されたフィルム基板は、指紋などによる汚れや反射を防止する効果、撥水効果に優れ、従来品と比べて汚れ防止の性能や耐久性が2倍以上に。デジタル端末などのディスプレイや各種インストルメントパネルなどに求められる高機能膜へのニーズに対応する。
ロールtoロール成膜装置「HARD-F series」の構造(クリックで拡大) 出典:日立造船
左:防汚膜成膜品、右:未処理品 出典:日立造船
半導体露光機で日系メーカーはなぜASMLに敗れたのか
法政大学イノベーション・マネジメント研究センターのシンポジウム「海外のジャイアントに学ぶビジネス・エコシステム」では、日本における電子半導体産業の未来を考えるシンポジウム「海外のジャイアントに学ぶビジネス・エコシステム」を開催。半導体露光機業界で日系企業がオランダのASMLに敗れた背景や理由について解説した。
ナノスケールのちりの影響を抑制、半導体製造装置が目指すIoT活用
「SEMICON Japan 2016」のIoTイノベーションフォーラムで登壇した東京エレクトロン執行役員の西垣寿彦氏は、半導体製造における“ちり”の管理と、IoTを使った生産性向上の取り組みについて紹介した。
72台の装置を半日で稼働、日本発「ミニマルファブ」が変える革新型モノづくり
産総研コンソーシアム ファブシステム研究会などは「SEMICON Japan 2016」で、「ミニマルファブの開発成果を発表。同研究会などが推進するミニマル生産方式による製造装置「ミニマルシリーズ」72台を設置し、半導体製造工程のほとんどをカバーできるようになった成果をアピールした。
それでも製造業にとって“スマート工場化”が避けては通れない理由
製造業の産業構造を大きく変えるといわれている「第4次産業革命」。本連載では、第4次産業革命で起きていることや、必要となることについて、話題になったトピックなどに応じて解説していきます。第25回となる今回は「そもそもスマート工場化って必要なの?」という点について考察してみたいと思います。
スマートファクトリーはエッジリッチが鮮明化、カギは「意味あるデータ」
2017年はスマートファクトリー化への取り組みが大きく加速し、実導入レベルでの動きが大きく広がった1年となった。現実的な運用と成果を考えた際にあらためて注目されたのが「エッジリッチ」「エッジヘビー」の重要性である。2018年はAIを含めたエッジ領域の強化がさらに進む見込みだ。
スマートファクトリーがいよいよ現実解へ、期待される「見える化」の先
ドイツのインダストリー4.0がきっかけとなり関心が高まった、IoTを活用したスマートファクトリー化への動きだが、2017年は現実的成果が期待される1年となりそうだ。既に多くの実証成果が発表されているが、2017年は、実導入ベースでの成功事例が生まれることが期待される。
いまさら聞けない「マスカスタマイゼーション」
IoT(モノのインターネット)活用などで実現するスマートファクトリーの理想像とされる「マスカスタマイゼーション」。このマスカスタマイゼーションとは何かを5分で分かるように簡単に分かりやすく解説します。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.