DLC成膜用のハイブリッドイオンプレーティング装置FAニュース

不二越は、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)成膜用のハイブリッドイオンプレーティング装置「SPS-2020」を発表した。スパッタリング法とP-CVD法を融合したハイブリッド成膜技術により、成膜品質が向上している。

» 2018年08月23日 07時00分 公開
[MONOist]

 不二越は2018年7月31日、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)成膜用のハイブリッドイオンプレーティング装置「SPS-2020」を発表した。同年8月に発売する。標準本体価格は1億2000万円(税別)で、年間販売目標は6台だ。

 SPS-2020は、硬さや厚みなど成膜の品質が向上している。これは、イオンビームで成膜物質を真空中にたたき出すスパッタリング法と、プラズマ中に成膜物質を含むガスを注入して膜を生成するP-CVD法を融合したハイブリッド成膜技術によるものだ。

 また、大電流のHCD(ホローカソード放電)式プラズマガン2基を搭載し、高密度のイオンビームを照射する。これによりイオン化率が上昇し、DLC成膜速度が従来機比約1.5倍に向上した。

 独自のプラズマ制御技術と機械構造を採用しており、ワーク間での膜厚などが均一化され、成膜品質が安定する。成膜有効範囲は直径2500×高さ500mmで、処理可能重量200kg、寸法は5000×4500×3000mm。膜種はDLCの他、TiN(窒化チタン)、 AlCrN(窒化アルミクロム)、TiAIN(窒化チタンアルミ)などの成膜が可能だ。

 用途は、アルミ部品切削用工具や、高速回転に対応する軸受、摺動部品、ハイブリッドモーターやロボットの部品などを想定している。

photo ハイブリッドイオンプレーティング装置「SPS-2020」 出典:不二越

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