タブレットに“さらさら”でティーチング終了、安川電機がデモFOOMA JAPAN 2025

安川電機は食品製造総合展「FOOMA JAPAN 2025」において、「食の大変革」をテーマに各種のソリューションを出展した。

» 2025年06月11日 07時00分 公開
[長沢正博MONOist]

 安川電機は食品製造総合展「FOOMA JAPAN 2025」(2025年6月10〜13日、東京ビッグサイト)において、「食の大変革」をテーマに各種のソリューションを出展した。

タブレットに描いた模様を自律的にロボット動作に反映

 自律的な動作が可能な安川電機のロボット「MOTOMAN NEXT」が披露したのは、コンベヤーに流れてきたオムライスの絵に模様を描くデモンストレーションだ。

会場で披露した「MOTOMAN NEXT」のデモンストレーション[クリックで再生]
ティーチングのためにタブレット端末に描かれた模様 ティーチングのためにタブレット端末に描かれた模様[クリックで拡大]

 MOTOMAN NEXTは自律制御ユニットを搭載しており、ロボット自身が状況を把握し、自ら判断、計画して作業することができる。従来のような専門的なティーチングは必要なく、今回のデモもタブレット端末の画像に模様を描くだけで、MOTOMAN NEXTのロボットコントローラー「YNX1000」が一筆書きのロボット動作に変換して同じ模様を描いている。

 コンベヤーに流れてきたオムライスの絵は、2Dカメラでオムライスの形を都度認識しており、傾いていても動きを補正して正確に模様を再現する。「MOTOMAN NEXTはオープンプラットフォームを採用しており、誰でもこういったソフトを作り、使うことできるデモになっている」(安川電機の説明員)。

 今回のデモでは活用していないが、YNX1000にはNVIDIAのGPU(Graphics Processing Unit)が搭載してあり、リアルタイムでAI(人工知能)による処理を行うことも可能だ。

タブレット端末に描かれた模様を向きも含めて製作に再現している タブレット端末に描かれた模様を向きも含めて製作に再現している[クリックで拡大]

 食品仕様ロボット「MOTOMAN-GP8」を使った食品容器の蓋嵌合(かんごう)のデモも披露した。

 ハンド部分には2つのモーターが内蔵されており、人が行うような、感触を確かめながらはめ合わせる動作を再現している。モータのトルクを計測しており、OK、NGの判定も可能だ。蓋は円形でも四角でも対応する。

 MOTOMAN-GP8は食品加工工程での使用を想定し、耐食性を向上させためっきによる特殊表面処理を行っている。また、万が一、ラインに混入しても極力健康に被害を与えないH1認証を取得した食品機械用潤滑剤を使用している。可搬重量は8kg、最大リーチは727mmとなっている。

 その他、設備の稼働情報を収集し製造効率化を支援する設備監視システム「Y's-SF Equip」や生産スケジューラ「Y's-SF Scheduler」などを紹介した。

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