日立産機システムは食品製造総合展「FOOMA JAPAN 2025」において、温度検知インクを活用した品質可視化ソリューションや新製品の印字検査装置などを展示した。
日立産機システムは食品製造総合展「FOOMA JAPAN 2025」(2025年6月10~13日、東京ビッグサイト)において、温度検知インクを活用した品質可視化ソリューションや新製品の印字検査装置などを展示した。
日立製作所が開発した温度検知インクは、経過時間と温度との積算値で変色し、低温環境ではゆっくり、高温環境では早く変色する特性を持つ。一度変わった色は元には戻らない。変化の速さは調整できるという。
例えば、消費者から見れば、店頭に並んでいる果物などはどんな温度状態でこれまで保存されてきたのかは分からない。今回、日立産機が紹介した品質可視化ソリューションでは、温度検知インクを使ったマークと食品を特定する2次元コードが使用されており、品質可視化アプリでマークと2次元コードを読み取ることで、これまでの積算温度を把握し、貼付されたメロンの熟し具合を算出することができる。読み取り時点から食べ頃までに要する積算温度と、その後の保管温度から食べ頃の時期も予測できる。
新たに発売した印字検査装置「MC-30」も出展した。
MC-30では従来機の「MC-20」で用いている照合検査方式に加え、AI(人工知能)検査、OCR(光学文字認識)検査に対応している。特にAI検査では、文字と背景のコントラストでも低いワークでも読み取ることができ、内容物が見える透明な容器の印字も検査可能だ。
本体1台に対して2つのカメラを接続することができ、1つのワークを2つのカメラで異なる方向から検査したり、離れている検査位置を2つのカメラで適切な位置から検査したりできる。同じ製造ラインに複数の品種のワークが流れている時に、ワークの品種ごとにカメラを切り替えて使うことも可能となっている。また、本体は防水、防じん規格の「IP55」に対応している。
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