ドイツのベッコフオートメーションとローランド・ベルガーの日本法人が日本における製造ビジネス変革において、業務提携することを発表した。「和ノベーション」の概念のもと、新たな価値を生みだす事業アイデアを早期具現化する「ラピッドプロトタイピング」の新手法確立を目指す。
ドイツの制御機器メーカーであるBeckhoff Automation日本法人であるベッコフオートメーションと、戦略コンサルティングファームであるRoland Berger日本法人であるローランド・ベルガーは2017年7月20日、日本における製造ビジネス変革に向けて業務提携を行うことを発表した。
ベッコフオートメーションは、PCベースのオープンな自動制御システムを提供しており、産業用 PC、各種フィールドバス対応I/O、自動制御ソフトウェアなどで評価を受けている。また、産業用オープンネットワークであるEtherCATの開発元メーカーとしても有名である※)。
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一方、ローランド・ベルガーはグローバルでのネットワークと知見を生かし、製造業を中心とした多くの企業でコンサルティングを進めている。ローランド・ベルガーでは日本型イノベーションの姿として「和ノベーション」というコンセプトを打ち出しており、普及・浸透を目指している。「和ノベーション」の「和(わ)」は「和」の他、対話の「話」や仲間の「輪」を意味する。企業や個人が持つさまざまなノウハウ、技術、知恵などの「暗黙知」を「ありもの」として見える化し、対話を通じて部門、企業、業界を超えた仲間の輪へと広げる。「ありもの」の有効活用により、新たな価値創出を従来以上のスピードで実現することを目指す。
今回の提携により両社は、企業が事業の過程で必要となる試作・検証・実装のサイクルを効率化する「ラピッドプロトタイピング」の新たな手法を確立することを目指す。これらの新手法を構築することで、両社の顧客企業の事業成長を支援するという。具体的には、AI(人工知能)やVR(仮想現実)、AR(拡張現実)、ブロックチェーン、シミュレーション、計測、制御、通信などにおける先進技術の製造現場への導入を支援し、人間と機械の新たな関係の構築を目指す。
これらの実現により、アイデアとビジネス、デジタルとアナログ、バーチャルとリアルをつなぎ(デジタルツイン)、事業アイデアの試作・検証・実装環境をコンサルティングプロジェクトの一環として個別に構築。中長期的にはローランド・ベルガーが提唱する「和ノベーション」の実証基盤を生み出すことを目指すとしている。
今回の発表と同時に、ベッコフオートメーションの代表取締役である川野俊充氏がローランド・ベルガーのアドバイザーに就任し、一方でローランド・ベルガーの代表取締役社長である長島聡氏がベッコフオートメーションのアドバイザーに就任することも合わせて発表している。
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