SUBARU(スバル)は時速0〜120kmの範囲で加減速とステアリングを自動制御する機能を運転支援システム「EyeSight(アイサイト)」に追加した。2017年夏に発売する「レヴォーグ」「WRX S4」に標準装備とする。
SUBARU(スバル)は2017年6月19日、時速0〜120kmの範囲で加減速とステアリングを自動制御する機能を運転支援システム「EyeSight(アイサイト)」に追加したと発表した。
新機能は2017年夏に発売する「レヴォーグ」「WRX S4」に標準装備とする。また、この2モデルには、国内仕様では初採用となる後退時自動ブレーキシステムを搭載する他、スバルとしては初採用となる「スマートリアビューミラー」をメーカーオプションとして設定する。
アイサイトの新機能「ツーリングアシスト」は、状況に合わせて先行車両と車線を認識し、アクセルとブレーキ、ステアリングを自動で制御する。渋滞時などで車間距離が短く車線が見えない状況では、先行車両を認識して操舵(そうだ)を支援。車線が見えにくい場合やカーブでは、車線と先行車両の認識結果の両方を組み合わせて制御を安定させる。高速巡航時、先行車両がいない場合は車線を認識して車線の中央を維持する。
ツーリングアシストは、車線中央維持機能と全車速追従機能付きクルーズコントロールを組み合わせている。車線中央維持機能の作動速度域は従来の時速60km以上から時速0km以上に拡大。また、先行車に追従して制御する操舵(そうだ)機能を追加している。また、全車速追従機能付きクルーズコントロールの作動速度域を従来の時速0〜100kmから上限を時速120kmまで引き上げている。
高速巡航からノロノロ運転まで加減速とステアリングを自動で制御することにより、運転負荷を大幅に軽減する。自動での車線変更も含めた高速道路の自動運転は2020年の製品化を目標としている。また、交差点を右折する時に横断歩道へ飛び出した歩行者の検知など、より複雑な環境での衝突被害軽減技術も開発を進めている。
後退時自動ブレーキシステムは、車体の後部に内蔵した超音波センサーが後退時に障害物を検知すると警報音と警告表示で注意を促す。回避操作がない場合には自動的にブレーキをかけて衝突回避や被害軽減を図る。
スマートリアビューミラーは、リアゲートガラスの内側に取り付けられたカメラの映像をルームミラーに表示する。乗員や荷物で後方視界が遮られる場合や、夜間や悪天候などで後方が見えにくい場合にも後方の視野を確保する。
スバルは2017年6月19日、運転支援技術の高度化に向けて、スバル研究実験センター 美深試験場(北海道美深町)のテストコースを改修すると発表した。高速道路のカーブや分合流、市街地を想定した交差点、北米地域のフリーウエーを模した路面などを新たに設ける。設備投資額は30億円で、2017年度下期に運用を開始する。
美深試験場は冬季の雪上試験に対応する開発拠点として1995年に開設した。総敷地面積は361ヘクタール(3.61km2)で、寒冷地走行試験のコースの他、高速走行路やハンドリング路なども有する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.