日産自動車が自動運転技術「プロパイロット」を新型「セレナ」に搭載する。高速道路の単一車線で、アクセル、ブレーキ、ステアリングを自動的に制御。「渋滞時のハンドル、アクセル、ブレーキ全ての自動化は、日本メーカーでは初」(同社)。
日産自動車は2016年7月13日、同年8月下旬に発売予定の新型「セレナ」に自動運転技術「プロパイロット」を搭載すると発表。同日マスコミ向けにプロパイロットの技術説明会を開催した。
2015年10月の東京モーターショーで同社が自動運転技術のコンセプトEV「Nissan IDS Concept(ニッサンIDSコンセプト)」を発表。その壇上で同社の社長兼CEO カルロス・ゴーン氏は「2016年末には混雑した高速道路上で安全な自動運転を可能にする技術『パイロットドライブ1.0』を世界に先駆けて日本市場に投入する」と同社の自動運転技術普及のマイルストーンを示していた。今回のプロパイロットは2016年末としていた当初の投入計画から前倒ししたかたちとなる。
段階的に自動運転技術を市場に投入していき、最終的には2020年までに高速道路と市街地を運転できる自動運転車を商品化するとアナウンスしている同社。今回のプロパイロットはその第1弾で「高速道路(自動車専用道路)の単一車線での自動運転技術」となる。
渋滞走行と長時間の巡航走行の2つのシーンで、アクセル、ブレーキ、ステアリングを自動的に制御。「渋滞時のハンドル、アクセル、ブレーキ全ての自動化は、日本の自動車メーカーでは初の技術」(同社)だという。
画像処理システム搭載の単眼カメラをフロントガラス中央上部に装備し、前方車両や道路上の白線を瞬時に三次元的に把握、その情報を基にアクセル、ブレーキ、ステアリングの制御を行う。
システム作動時は、ドライバーが設定した車速(時速約30〜100km)内で、先行車両との車間距離を一定に保つよう制御する他、車線中央を走行するようにステアリング操作を支援する(時速約50km以下では先行車が存在する場合のみステアリング制御が作動)。
プロパイロットの起動や設定は、ドライバー手元のステアリングスイッチ操作で簡単に行える他、システム状態を分かりやすく表示する7インチの専用ディスプレイを採用。「インタフェースは運転感覚に合うよう、使いやすさにこだわっている」(同社)。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.