Tesla Motors(テスラ)の自動運転システム搭載車での事故で、自動運転での安全性に注目が集まっている。日産自動車の副社長で製品開発担当の坂本秀行氏は、今回のプロパイロットが同社の「クルマが人を守る」という考え方――セーフティ・シールドコンセプトに基づくものだとし「事故の原因の9割以上はドライバーが原因によるもの。日産の自動運転は、この数字を減らしていくための技術」と強調する。
もっとも「自動運転」とうたってはいるが、今回のプロパイロットの技術は正確には「運転支援」だ。ドライバーがステアリングを握っているどうかはステアリングにかかるトルクをシステムが常時センシングして判断しており、ドライバーが手を離すと即座に警告が流れる。それを無視して手を離し続けると、ステアリング制御はオフになるという。
気になるプロパイロット搭載車の価格だが、同社副社長で日本・アジア事業および品質担当の中村公泰氏は「できだけ多くのお客さまにこの技術を使ってもらいたいので、300万円を切る戦略的な価格設定を計画している」と、自動運転技術の普及に向け意欲的だ。
プロパイロットはセレナ搭載を皮切りに同社の主要モデルへも順次投入していくという。また、2017年には欧州でSUV「キャシュカイ」に搭載するほか、米国や中国へも順次導入していく予定。
さらに2018年には高速道路での車線変更を自動的に行う「複数レーンでの自動運転技術」を市場に投入。交差点を含む一般道での自動運転技術は2020年までに商品化する予定だという。
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