産業用オープンネットワークである「EtherCAT」を推進するEtherCAT Technology Group(ETG)は、電源と通信をケーブル1本で結べる省配線規格「EtherCAT P」のスレーブ実装ガイドラインが完成したことを発表した。
産業用オープンネットワークである「EtherCAT」を推進するEtherCAT Technology Group(ETG)は2016年11月23日(現地時間)、電源と通信をケーブル1本で結べる省配線規格「EtherCAT P」のスレーブ実装ガイドライン(アプリケーションノート)が完成したことを発表した。
「EtherCAT」は、ドイツのBeckhoff Automation(ベッコフオートメーション)が開発した、イーサネット(Ethernet)と互換性のあるフィールドネットワークで、高速性や高度な同期性能などが特徴だ。現在はETGが普及促進などを図っている。その新規格である「EtherCAT P」は、1本のケーブルで通信だけでなく電源供給も可能としたことが特徴で、2系統が必要だった従来に対し、省線化が実現でき、コストの削減と設置スペースの削減が可能となる。
「EtherCAT P」もベッコフオートメーションが開発を行ったがその後、ETGの技術委員会においてEtherCAT仕様に組み込むことが承認された。2016年4月にドイツで開催された産業見本市ハノーバーメッセ2016では、技術仕様書のドラフト版が公開。その後、仕様書の更新作業が進み、「ETG.1030 EtherCAT P Specification」では、EtherCAT Pスレーブの種類や機能の定義、物理層の構成、ケーブルやコネクタの技術仕様の概要についての規定も進んでいる。
今回新たにベッコフオートメーションが、EtherCAT Pアプリケーションノート(いわゆるEtherCAT Pスレーブを実装するためのガイドライン)をETGメンバー向けに公開した。これは開発者がEtherCAT Pのデバイスの実装を開始できるようにしたもので、コネクタ、電気仕様、EMC準拠設計の推奨事項など、EtherCAT実装のポイントが記されている。これに加えて、特に電源電圧の使用方法と接続に関するさまざまな設計要件についても解説している。これらのEtherCAT Pに関する新たなドキュメントはETGのWebサイトからダウンロードできるという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.