物理的なミラーの代わりにカメラとディスプレイを使って後方視界を確保する、BMWの「i8ミラーレス」の試乗レポートをお送りする。併せて、BMWが「CES 2016」で発表した「iビジョン・フューチャー・インタラクション」など、同社の次世代技術についても紹介しよう。
2013年の「CES」に乗り込できたときには、サーキットでの自動“ドリフト”走行を披露して話題をさらったBMW。2016年の今回は、IoT(モノのインターネット)をキーワードに、自動運転とコネクティビティを両輪に技術開発を進めていく方針を打ち出した。
CES会場の展示については後で紹介するとして、まずはプラグインハイブリッド車「i8」をベースに物理的なサイドミラーのない車両に仕立てた「i8ミラーレス」を、CESの開催地である米国ネバダ州ラスベガスの公道で試乗したので、その模様をレポートしよう。“ミラーレス化”することで、死角を減らして安全性が高まるとともに、空力が向上し1%の低燃費化につながるというメリットがある。
i8でサイドミラーが設置されている箇所にカメラユニットが搭載されており、リアガラスにも車載カメラが装着されている。これらのカメラから得られる映像は後方視界として合成され、ルームミラー上のディスプレイに表示される。ディスプレイサイズは300×75mmと、標準的なルームミラーより一回り大きい。このため、パノラマビューの表示が十分に可能だ。カメラユニットはスペインのFicosa International(フィコサ)製で、フレームレートは60fpsと、一般的な車載カメラの約2倍。仰角は50度と広く、画像表示はフルカラーだ。
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