RPGクリアに欠かせないアイテム管理と在庫管理RPGで理解する生産管理(2)(1/5 ページ)

製造業にとって重要な要素である「生産管理」ですが、なかなか初心者には理解するのが難しい……。そんな生産管理初心者に向け、RPG(ロールプレイングゲーム)になぞらえて分かりやすく生産管理を解説する本連載ですが、第2回となる今回は、5Sと在庫管理について紹介します。

» 2015年02月20日 09時00分 公開
[山口亨/UTAGE総研 代表取締役,MONOist]

 「生産管理」の基礎を分かりやすく解説するために「RPG(ロールプレイングゲーム)」になぞらえて解説している本連載「RPGで理解する生産管理」。前回の「RPGをクリアするまでのプロセスと生産管理」では、生産管理の基本として「ムリ・ムダ・ムラ」の「3ム」や「PDCA」について紹介しました。また、最終的な生産管理のポイントとして「生産管理とは、QCDを効率的に生み出すために、3Mを、PDCAを回して運用すること」であるということを説明し、3ムの中にある「3つのムダ」の問題点を示しています。

 今回は、この「3つのムダ」の内「過剰在庫のムダ」にフォーカスをして、「RPGクリアに欠かせないアイテム管理と在庫管理」について話したいと思います。



RPGを進めていく上でのアイテム管理

 皆さんはRPGをプレイするとき、「やくそう」や「どくけしそう」などの回復系のアイテムはどれくらい所持していますか。

 筆者はそれらの回復系のアイテムは極力少なくして、回復魔法で何とかしのぎたいと考える方です。逆に筆者の妻は回復系アイテムを、アイテム袋いっぱいに所持する派です。所持していないとモンスターと戦うのが不安なんだそうです。でも、アイテム袋がいっぱいのときに、洞窟の中で貴重なレアアイテムを見つけたとしたら……。やっぱり「やくそう」を捨てて、アイテムを取りますよね。実はRPGをプレイしている間にも、無意識に自分なりの効率的なアイテム管理の方法を見つけているのです。

photo レアなアイテムでも必要以上にあれば在庫に

 最近のRPGでは、アイテム袋の中は自動的にソートされたり、ジャンル別に並び替えができたりするなど、便利な機能が備わっています。でも、この機能がなかったらどうでしょうか。

 私が子どもの頃にプレイしていたRPGでは、さまざまな「お宝」を取り過ぎてアイテム袋の中が「ぐしゃぐしゃ」になっていた記憶があります。そうすると、探すのも大変ですし、持っていていることも忘れてしまって、新たに「道具屋で買ってしまう」なんてこともありました。これって「ムダ」ですよね。

 そこで、あるときから、自分でアイテムをジャンル別に並び替えをするようにしました。「整理・整頓」が大事だと気付いたのです。この「ムダを避けるための整理・整頓」という考え方は、製造現場でも非常に重要です。

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