ヤマハが二輪車、ヤマハ発動機が楽器をデザイン車両デザイン

ヤマハとヤマハ発動機は、フランスで開催されるデザインイベント「第9回サンテティエンヌ国際デザインビエンナーレ2015」に共同出展する。楽器のヤマハが二輪車を、二輪車のヤマハ発動機が楽器をデザインしたことが出展物の注目ポイントになっている。

» 2015年02月16日 15時00分 公開
[MONOist]

 ヤマハとヤマハ発動機は2015年2月16日、フランス・サンテティエンヌで開催されるデザインイベント「第9回サンテティエンヌ国際デザインビエンナーレ2015」(2015年3月12日〜4月12日)に共同出展すると発表した。両社が共同で出展するのは初めて。共同出展の期間は同年3月12〜22日まで。

 展示テーマは「project AH A MAY(プロジェクト アーメイ、YAMAHAの逆読み)」。普段は楽器をデザインするヤマハと、二輪車や電動アシスト自転車などをデザインするヤマハ発動機が、お互いのデザインフィールドを交換して、生産・商品化の制約に縛られることなく、それぞれの作法や考えでデザインを提案するというプロジェクトだ。「『ヤマハ』というブランドを共有する両社がお互いを『鏡』と見立て、デザインを通じて互いを映し出すことで、相互に刺激を与えあうと同時に両社に共通する『ヤマハらしさ』を見いだすことを目的としている」(両社)という。

ヤマハとヤマハ発動機の「第9回サンテティエンヌ国際デザインビエンナーレ2015」の出展作品 ヤマハとヤマハ発動機の「第9回サンテティエンヌ国際デザインビエンナーレ2015」の出展作品(クリックで拡大) 出典:ヤマハ発動機

ヤマハは馬モチーフの二輪車と自分で充電する電動アシスト自転車

 ヤマハは二輪車と電動アシスト自転車をデザインした。「√(ルート)」は、ライダーの目前から計器類を排除し、視線の先が風景と一体になるようにした二輪車である。シートからタンク上まで流れるようなフォルムは馬をモチーフとしており、人と自然と乗り物の一体感を目指した。

 電動アシスト自転車「O±O(オープラスマイナスオー)」は、充電スタンドに自転車を設置し、自らペダルを漕いで充電するというコンセプトがベースになっている。充電した電力を家族とシェアしたり、充電した電池を持ち出し電力で動かせる楽器や機器を楽しむなど、「電気とポジティブに向き合うライフスタイルをアシストする」(ヤマハ)という。

二輪車「√(ルート)」(左)と電動アシスト自転車「O±O(オープラスマイナスオー)」(右)(クリックで拡大) 出典:ヤマハ発動機

ヤマハ発動機は球体構造ドラムスと2人乗り(?)マリンバ

 ヤマハ発動機がデザインしたのはドラムスとマリンバだ。ドラムス「RAIJIN(God of the Thunder)」は、既存のメソッドを超え人間の表現欲を満たす理想的な構造を探求した。ドラム楽器の中で暴れまわるように演奏できる球体は、「演奏者を中心に噴出するエナジー、増幅する音世界を視覚化できる」(ヤマハ発動機)とする。

 「FUJIN(God of the Wind)」は2人で演奏するマリンバだ。モーターサイクルの2人乗りを想起させる奏法で、互いのスイングやギャップが生む偶発性を生かしたスリリングな演奏を楽しめる。

ドラムス「RAIJIN(God of the Thunder)」(左)とマリンバ「FUJIN(God of the Wind)」(右)(クリックで拡大) 出典:ヤマハ発動機

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