農業のオープンソース化を考えるzenmono通信(3/3 ページ)

» 2014年09月17日 10時00分 公開
[zenmono/MONOist]
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 時には農業の慣習とぶつかり、お世話になっているJAから「それはやめてほしい」と言われることもあるようだ。

来場者: 「農家さんの話を聞くと、現状を変えられない、おきてのようなものがあるように感じます」

 最後に、農業のオープンソース化について議論した。

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三木: 「今後、カスタマイズのある部分を標準化したり、場合によっては一部の図面を公開してもいいという考えはありますか?」

羽廣さん: 「それは大丈夫です。こちらも(改造する農機具の)図面が欲しいな、と思うことがあります」

三木: 「これからは、部分的には図面を開示するような農機具屋さんが出てきてもいいのかな、と思います」

羽廣さん: 「乾田直播といって、乾いた田んぼに直接種をまく方法があります。田植機が不要になるなどコストダウンが可能になり、安くで美味しいお米ができるのです。変わることは難しいことですが、そういう方法を勉強して取り入れる農家さんが増えてきて、評価されていたり、変わってきていると感じる部分もあります」

三木: 「町工場が農家さんの設備や技術となって、例えばオープンソース農機具のようなモノづくりのインパクトで、農業の影の部分に風穴を開けられないでしょうか? 羽廣さんのやり方を広めて、それぞれの地域で展開するのです」

羽廣さん: 「既に私の周りで、少しずつ広がりをみせています。農家さんも、近くの町工場がどんなことができるのか分かれば、駆け込む人も出てくるでしょう」

三木: 「設備コストがかからなくなります。原価が下がれば、農業が儲かるビジネスになり、そこにまた新しい人が育ちますし」

羽廣さん: 「そのためのFacebookページかな、と思っています。農機具カスタマイズ計画のFacebookページでは、農家さんが抱える問題から改造内容まで掲載しています」

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 禅カフェでは結論を出したりはしないが、次回も対話をしながら、参加した人の中に何か答えが生まれるであろうことを期待したい。

有限会社ユニーク工業

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