それでは、lifo.cについて解説しましょう。以下にlifo.cのフローチャートを示します。
プログラムは2つのループで構成されます。1つ目のループは「入力ループ」と呼べるもので、キーボードから入力された整数を配列dataに格納します。2つ目のループは「出力ループ」と呼べるもので、dataに格納された整数をディスプレイに表示します。
「入力ループ」では入力scanfが2か所現れます。「入力ループ」の繰り返しの条件は、「負数が入力されるまで」なので、負数を入力する分1回多くscanfを実行しなければなりません。このようなプログラムでは、ループの前で1度scanf(先頭のデータ入力)し、ループの最後でscanf(次のデータ入力)するのがプログラミングの定石です。
もしscanfを1つにしたいならば、
i = 0; while (1) { /* 無限ループ */ printf("数を入力してください->"); scanf("%d", &n); if (n < 0) break; data[i] = n; i++; }
とも書けますが、ループの途中でループを抜ける(break)のは、できれば避けたいものです。
「入力ループ」を抜けた段階で、iには入力されたデータの個数が入っています。そして、例えば5個の整数が入力された場合では、data[0]に最初のデータが、data[4]に最後のデータが保持されます。「出力ループ」では最後のデータから出力しなければならないので、iを減じた後にdata[i]を表示しているのです。
lifo.cは、次のlifo2.cようにも書くことができます。
#include <stdio.h> int main(void) { int n, i, data[100]; printf("数を入力してください->"); scanf("%d", &n); i = 0; while (n >= 0) { data[i++] = n; printf("数を入力してください->"); scanf("%d", &n); } while (i) printf("%d\n", data[--i]); }
lifo.cとlifo2.cは全く同じプログラムですが、iのインクリメント演算子(++)とデクリメント演算子(--)の書き方を変えてみました。lifo.cとの違いは、++と--が文の中に入れ込まれていることです。
「入力ループ」の
data[i++] = n;
では、添字に++が記述されています。
++の働きは、「演算対象(オペランド)に1加算」ですが、実はオペランドの前にも後ろにも書くことができます。
上の例のように++がiの後ろに書かれている場合、ポストインクリメント(後置増分)と呼び、オペランドの値を取り出した後、オペランドの値を増分します。ここではdataの添字にiを指示した後iに1加えます。
--も同じように扱うことができ、「出力ループ」の
printf("%d\n", data[--i]);
では、--がiの前に書かれているので、プリデクリメント(前置減分)と呼び、オペランドの値を減分した後、オペランドの値を取り出します。ここではiを1減じた後、dataの添字とします。
以上のように、++と--は細かい処理が記述できます。
それでは、次回の宿題です。
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