PFUはB2C向けイメージスキャナー「ScanSnapシリーズ」の新たなフラグシップモデル「ScanSnap iX2500」を発表。自社開発の次世代SoC「IIGA」を搭載し、ScanSnap史上最速の毎分45枚の高速スキャンを実現するなど従来機種と比べて大幅な性能向上を図った。
PFUは2025年6月24日、東京都内で会見を開き、B2C向けイメージスキャナー「ScanSnapシリーズ」の新たなフラグシップモデルとなる「ScanSnap iX2500(以下、iX2500)」を発表した。自社開発の次世代SoC(System on Chip)「IIGA」を搭載し、ScanSnap史上最速の毎分45枚の高速スキャンを実現した他、業務用スキャナーに用いられている画質向上機能の採用や、Wi-Fi 6とともにBluetoothにも対応して通信機能を拡充するなど従来機種と比べて大幅な性能向上を図った。同社オンラインストア「PFUダイレクト」の価格(税込み)は5万9400円で、同日から販売を開始する。グローバルでの年間販売目標台数は40万台(内訳は海外8割、国内2割)に設定した。
PFUは、グローバル累計出荷台数1600万台で世界シェアトップのイメージスキャナーをはじめさまざまなエッジプロダクトを展開している。同社 代表取締役 社長執行役員の平原英治氏は「当社は、現場での課題を即座に解決するとともに、生産性を高めながら品質の向上を保っていけるようなエッジプロダクトとソリューションで顧客の業務を支え、社会に貢献していきたいと考えている」と語る。
中でも2001年に誕生したScanSnapは「紙をいかに簡単にデジタル化するか」という課題に真摯(しんし)に向き合い進化してきた製品である。平原氏は「PFUは『リアルが、ひとつにつながる』を目指して、現実とデジタルの垣根をなくして、人がより自然に情報を入手できる社会の実現を目指していきたいと考えている。その第一歩となるのが、今回発表するiX2500だ」と強調する。
また、生成AI(人工知能)の登場によりAIの進化が加速する中で、早ければ2026年にも良質な学習データの枯渇が始まるといわれている。ScanSnapに代表されるイメージスキャナーには、紙を使って作成されたリアル=アナログ情報を、AIの学習に活用できる高品質なデータに変換する役割が求められている。「紙には貴重な情報が詰まっているが、そのままではAIには見えない。ただOCR(光学文字認識)で文字に変換するだけではダメであり、AIが活用できる構造化データに変換しなければならない」(PFU 取締役 常務執行役員の宮内康範氏)という。
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