コンピュータは人間と違って自然に「文字(字句)」を認識することはできません。字句を識別させるには事前に何が字句かを定めて、その規則に沿ったプログラムを作る必要があります。
本連載では、これから組み込みシステムのプログラミングを学びたい人向けに、C言語を使ったマイコン制御プログラムの“イロハ”を解説していきます。
毎回少しずつステップアップしていけるよう、本文の最後で問題を出し、次回その解答と解説を紹介していきます。
C言語のソースプログラムを読み取り、その中に単語がいくつあるか表示します。ただし単語とは、先頭の文字がアルファベットまたはアンダースコア(_)で、2文字目以降の文字がアルファベットまたはアンダースコアまたは数字とします。ダブルコーテーション(”)で囲まれた文字列リテラルやコメントは単語に含みません。
人間は自然と単語(プログラム言語の予約語や識別子)を認識してプログラムを読むことができますが、コンピュータにとってプログラムは文字の並びにすぎません。ですからコンピュータに単語を識別させるには、「先頭の文字がアルファベットまたはアンダースコアで、2文字目以降の文字がアルファベットまたはアンダースコアまたは数字」のように単語がどんな文字の並びなのか定めて、その規則に従ってプログラムを作る必要があります。
今回の課題ではファイルを扱いますが、fgetcを用いて、ファイルの先頭から1文字ずつ文字を読み取りながら単語を探していきます。しかしそれだけでは、文字列やコメントの中身も単語と認識してしまうので、それらを単語と区別する機能も備えています。
それでは解答を発表します。
/* wowd counter */
#include <stdio.h>
#include <ctype.h>
void skip_word(void);
void skip_string(void);
void skip_const_char(void);
void skip_comment(void);
FILE *fp;
int ch;
int main(void)
{
int count;
fp = fopen("words.c", "r");
if (fp == NULL) {
printf("Can¥'t open file.¥n");
return 1;
}
count = 0;
ch = fgetc(fp);
while (ch != EOF) {
if (isalpha(ch) || (ch == '_')) {
count++;
skip_word();
}
else if (ch == '¥"') skip_string();
else if (ch == '¥'') skip_const_char();
else if (ch == '/') {
ch =fgetc(fp);
if (ch == '*') skip_comment();
}
else ch = fgetc(fp);
}
fclose(fp);
printf("%d words¥n", count);
return 0;
}
void skip_word(void)
{
ch = fgetc(fp);
while (isalnum(ch) || (ch == '_')) ch = fgetc(fp);
}
void skip_string(void)
{
ch = fgetc(fp);
while (ch != '¥"') {
if (ch == '¥¥') ch = fgetc(fp);
ch = fgetc(fp);
}
ch = fgetc(fp);
}
void skip_const_char(void)
{
ch = fgetc(fp);
while (ch != '¥'') {
if (ch == '¥¥') ch = fgetc(fp);
ch = fgetc(fp);
}
ch = fgetc(fp);
}
void skip_comment(void)
{
ch = fgetc(fp);
for (;;) {
if (ch == '*') {
ch = fgetc(fp);
if (ch == '/') break;
}
ch = fgetc(fp);
}
ch = fgetc(fp);
}
words.cはいくつかの関数で構成されます。words.cの関数の一覧を以下に示します。
| 関数名 | 概要 |
|---|---|
| main | mainから実行が開始されます。 |
| skip_word | 単語が見つかったら呼ばれる関数です。単語が終わるまで戻りません。 |
| skip_string | 文字列が見つかったら呼ばれる関数です。文字列が終わるまで戻りません。 |
| skip_const_char | 文字定数が見つかったら呼ばれる関数です。文字定数が終わるまで戻りません。 |
| skip_comment | コメントが見つかったら呼ばれる関数です。コメントが終わるまで戻りません。 |
month.cを実行すると、次のような結果になります。
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