Microsoftは、3Dプリンタの出現によるモノづくりや産業モデルの変革についても注目している。加治佐氏は「3Dプリンタは非常に注目の技術であるが、幾つか課題も見えてきている。例えば、出力した造形物の強度やバランス、正確な形状の再現、触感などが挙げられる。Microsoftでは、これらの課題をソフトウェアで解決・改善できるのではないかと考えている」と説明する。
例えば、重量バランスなどを考慮していない3Dモデルをそのまま出力すると、机などに置いたときに倒れてしまうが、Microsoft Research Asiaが研究を進めている手法を適用すると、造形物の形状から重心位置を計算し、バランスと強度が保たれるようメッシュ構造にして最適化した状態で3Dモデルを出力できるという。
さらに、モーションセンサーデバイス「Kinect for Windows」を活用した研究事例として、Kinectと手作りのセンサーデバイスを組み合わせて、ジェスチャーをしながらアバターを作るソリューション「BodyAvatar」を紹介。腕を動かすと、大道芸のバルーンアートのようにアバターを描くことができ、着色などもジェスチャー操作でそのまま行える。
「身体の動きだけで簡単に3Dのキャラクター(アバター)を作り出すことができる。データとして出力すれば、3Dプリンタで造形したり、他のアプリケーション上で動かしたりといったことも可能になるだろう」(加治佐氏)。
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