以上をまとめると、今回の卵型ケースに関する金型仕様書の完成です。
この仕様書に基づいて設計した金型図面が次の図面になります。
このようにして完成した金型図面は、製作に入る前に入念にチェックします。
図面上で修正する分には線を消して、書き直すだけですみますが、実際の加工では鉄を削るわけですから、“ちょっと書き直す”という感覚ではいきません。ですから、金型図面の最終チェックはチェックシートなどに基づいてしっかりと必要があります。
また打ち合わせをしていく中で、後から変更や調整が必要になりそうな部分というのが出てくることがあります。そのような場所に対しては、可能な限り“金型を削る方向”に調整(修正)するように心掛けます。逆に、“金型を盛る方向”での調整は、溶接が必要になるなど余計な手間が掛かってしまうのでなるべく避けます。
卵型ケースの3次元モデルは、以下からダウンロードしてください。3次元形状を確認しながら、これまでの金型設計を復習してみましょう。
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この連載はあくまで基礎中の基礎。実際に金型設計・製作をしてみると、これだけでは足りないことがいろいろと出てくるかもしれません。それでもこの連載が少しでも皆さんの設計業務の参考になれば幸いです。(完)
落合 孝明(おちあい たかあき)
1973年生まれ。2010年に株式会社モールドテック代表取締役に就任(2代目)。現在、本業の樹脂およびダイカスト金型設計を軸に、中小企業の連携による業務の拡大を模索中。「全日本製造業コマ大戦」の行司も務める。また、東日本大震災をうけ、製造業的復興支援プロジェクトを発足。「製造業だからできる支援」を微力ながら行っている。
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