矢崎総業は、「オートモーティブ ワールド2013」において、電気自動車(EV)側のコネクタにワンタッチで接続できる「次世代DC充電インフラコネクタ」を展示した。2013年5月に出荷を始める予定である。
矢崎総業は、「オートモーティブ ワールド2013」(2013年1月16〜18日、東京ビッグサイト)において、電気自動車(EV)用急速充電器に用いる「次世代DC充電インフラコネクタ」を展示した。EV側の受け口となるインレットコネクタに接続する作業を簡素化し、ワンタッチで接続できるようにしたことを特徴としている。2013年5月に出荷を始める予定。
次世代DC充電インフラコネクタは、矢崎総業の急速充電器用インフラコネクタとして第3世代品に当たる。第1世代品と第2世代品の場合、インフラコネクタをEV側のインレットコネクタに差し込んでから、インフラコネクタの下側にあるロックレバーを握ってロックしなければ接続を完了できない。また、急速充電が終わってインフラコネクタを取り外す際にも、インフラコネクタの上側にあるロック解除ボタンを押してロックレバーが戻ってから、ロック解除ボタンを押しながらインフラコネクタを引き抜く必要がある。
これに対して第3世代品は、ロックレバーをなくして、ロック状態を示すとともにロック解除も行える「イジェクターボタン」だけで、接続と取り外しを行えるようにした。具体的には、インフラコネクタをインレットコネクタに差し込むと、「カチッ」という音が鳴って、押しこまれた状態になっているイジェクターボタンが外側に飛び出す。これで接続が完了した状態になる。取り外す時には、イジェクターボタンを押せばインフラコネクタを引き抜ける。
つまり、従来のインフラコネクタを接続する際には、差し込む、レバーを握るという2つの作業が必要だったのに対して、第3世代品は差し込むだけで接続できるようになったというわけだ。「従来のインフラコネクタの場合、レバーを握ってロックしなければ急速充電を始められないということが急速充電器の利用者にとって理解しづらく、このことに起因する急速充電サービス業者へのクレームも発生していた。第3世代品は差し込むだけで接続を完了し急速充電を行えるので、利用者にとっても分かりやすいだろう」(矢崎総業)という。
さらに、急速充電中にはLEDランプを点灯させるとともに、イジェクターボタンを押してもロック解除位置まで押し込めないような仕組みを導入し、従来品と同様の安全性を確保している。
インフラコネクタの重量は1.2kgで、従来品よりも軽量化されている。「ロックレバーをなくしたものの、急速充電中にロックを解除できない仕組みなどを導入するために、インフラコネクタそのものは高機能化している。このため多数の部品を搭載すると重量は増加してしまうが、回路設計や素材、形状の工夫などによって軽量化を実現した」(同社)という。
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