1人乗りEV「コムス」はコスト低減で60万円以下に、セブンイレブンが宅配に採用：電気自動車（2/2 ページ）

[朴尚洙，＠IT MONOist]

セブンイレブンは1〜2年間で3000台導入へ

　コムスの発表とともに、コンビニエンスストア大手のセブン-イレブン・ジャパンが、同社の宅配サービスにコムスを採用することを明らかにした。2012年8月上旬から100台、9月からもう100台を使って先行評価を始め、2013年1月からは全国展開を始める。セブン-イレブン・ジャパン社長の井阪隆一氏は、「1〜2年間で3000台程度導入したい」としている。

　コムスを導入するのは、各コンビニエンスストアから、昼食や夕食を届ける「セブン・ミールサービス」や店舗内で扱っている商品を配達する「セブンらくらくお届け便」である。配達料は無料（セブン・ミールサービスのみの場合は500円以上の注文が必要）。セブン-イレブン・ジャパンがコムスを購入し、配達サービスのシステムとともに店舗にレンタルする形で運用する。コムスのレンタル料金は、「店舗の光熱費と同様に、コムスの運用コストの80％は当社が負担するので、残りの20％がレンタル料金になる」（井阪氏）という。

左の写真は、セブン-イレブン・ジャパン向けの「コムス」と、同社の井阪隆一氏（中央）、トヨタ自動車 取締役専務役員の井原保守氏（右）、トヨタ車体の網岡氏（左）である。右の図は、コムスを使った「セブンらくらくお届け便」の実施スケジュール。（クリックで拡大）

　配達先は店舗から半径2〜3km以内を想定。井阪氏は、「1日5件の注文があれば採算が取れるだろう。いつも利用している店舗の従業員が配達する、『顔の見える配達』には確実な需要があるはずだ」と意気込む。

　さらに井阪氏は、コムスを採用した理由について、「環境に優しいEVであるとともに、小型で設置スペースが少なくて済むし、小回りがきくなど操作性にも優れている。トヨタ自動車グループとは、社用車のリースなどで関係が深いことも大きな要因になっている」と説明している。