オカムラは「国際物流総合展2026」において、開発中の自律遠隔操作ハイブリッド型ロボットによる物流自動化ソリューション「PROGRESS ONE」の実機デモンストレーションを披露した。
オカムラは「国際物流総合展2026」(2026年9月8〜11日、東京ビッグサイト)において、開発中の自律遠隔操作ハイブリッド型ロボットによる物流自動化ソリューション「PROGRESS ONE」の実機デモンストレーションを披露した。
PROGRESS ONEは、AI(人工知能)を活用したロボットの自律動作と、人が倉庫から離れた場所で行う遠隔操作を使い分けることができる自動化ソリューションで、2016年より事業化の構想を進めている。同社のブースでは今回、オペレーターが画面上のタッチ操作で指示する「遠隔タッチ」と、力触覚のフィードバックを得ながら操作する「リアルハプティクス(力触覚制御技術)」という2つのハンズオンデモンストレーションが行われた。
さまざまな形状のアイテムを取り扱う物流現場において、従来の自律ピッキングロボット単独では、箱の中心にある穴を吸着して失敗したり、アイテムの端を把持して重心が傾き落下させてしまったりといった課題があった。「遠隔タッチ」は、このように自律動作での対応が困難なケースにおいて、オペレーターが手動で介入してピッキングを補助する機能だ。
オペレーターが手元のタッチディスプレイから遠隔でハンドの種類(デモでは1種類を使用)や向きなどを指示すると、その通りにロボットアームが動く。デモンストレーションでは、チューブ型のボトルや長方形の箱など、形状や材質の異なるアイテムを的確に吸着し、別のコンテナへ移し替える一連の動作が実演された。
もう1つのアプローチである「リアルハプティクス」は、カメラ越しの視覚情報だけでは判断が難しいアイテムの「柔らかさ」や「重さ」を、遠隔操作するオペレーターの手元にフィードバックする技術だ。
リアルハプティクスは、慶應義塾大学 ハプティクス研究センターが研究開発し、現在は慶應義塾大学発スタートアップのモーションリブが実用化を推進している。市販のアクチュエータ(電動、油圧、空気圧など)で、適切な力加減をリアルタイムに実現し、力加減を伴う遠隔作業や、物の物理特性をデータ化した感触再現などが可能になる。オカムラとモーションリブは同技術の物流分野での活用を目指し、2025年2月に資本業務提携を締結した。
オペレーターの右手側のハンドルはアームの空間移動(上下左右/前後方向)と連動し、左手側のレバーはロボットハンドの開閉と連動している。左手はハンドルの穴部分に親指を入れ、残りの4本の指でレバーを握り込むようにして操作を行う。
実際にハプティクスモードで対象物をつかむと、その感触が操作レバーを通じてオペレーターの手元にリアルタイムで伝わってくる。例えば、軟らかいビニールボールをつかんだ際には優しい弾力が、硬いひもの塊をつかんだ際には、硬い質感が左手にフィードバックされた。
「リアルハプティクスを活用した操作により、壊れやすいものをつぶさずに適切な力で把持するなど、従来の自動化機器では困難だった繊細な力加減を遠隔からでも実現できるようになる」(オカムラの説明員)
オペレーターが遠隔操作によってピッキングを成功させた際の動作データは、そのままAIの学習に活用される。現場での運用と並行して効率的にAIの学習が進むため、導入後も自律動作で処理できるアイテムの割合が継続的に拡大していく仕組みとなっている。
オカムラは、PROGRESS ONEの活用により、物流現場における新しい働き方の実現を目指す。オペレーターは、倉庫ではなく、都市部や住宅地などに設けたオペレーションセンターから遠隔で業務を行う想定だ。「場所や時間、身体的な制約が解消されるため、これまで物流現場で働くことが難しかった層への新たな雇用創出が見込める」(同説明員)という。
同社は2024年5月に、実際の物流拠点において実証実験を実施した。今後も、物流現場への導入および事業化に向けて、引き続きシステム開発を進めていく方針だ。
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