ギークプラスが双腕3本指ヒューマノイドを国内初公開、2027年度にテスト導入へ国際物流総合展2026

ギークプラスは「国際物流総合展2026」において、自社のピッキングシステムと連携して次世代の完全自動化ソリューションを実現する汎用型ヒューマノイドロボット「Gino(ジーノ)」を国内初公開した。双腕に3本指ハンドを備え、最大20kgのコンテナ搬送にも対応する。

» 2026年09月10日 07時30分 公開
[安藤照乃MONOist]

 ギークプラスは、「国際物流総合展2026」(2026年9月8〜11日、東京ビッグサイト)において、日本国内初公開となる汎用型ヒューマノイド「Gino(ジーノ)」を、同社の搬送ロボットや自動倉庫システムと連携させ、次世代の完全自動化ソリューションとして披露した。

動画 ヒューマノイドロボット「Gino」とピッキングシステムの連携デモンストレーション[クリックで再生]

3本指ハンド、1時間当たり最大300ピース処理に対応

 Ginoは、2026年8月に同社が発表したヒューマノイドロボットだ。本体の外形寸法は幅655×奥行き600×高さ1820mmで、重量は150kg。アームには14自由度設計で全関節力制御に対応する双腕を備え、先端には触覚センサーを備えた3本指ハンドを採用した。片腕の可搬重量は2kg未満だ。

ギークプラスのヒューマノイドロボット「Gino」 ギークプラスのヒューマノイドロボット「Gino」[クリックで拡大]

 足回りには360度自在に移動できる全方向移動ベースを取り入れ、SLAM(Simultaneous Localization And Mapping)ナビゲーションに対応する。走行速度は無負荷時で秒速2m、荷物を運ぶなど負荷がかかる場合に秒速1.5mとなる。

 AI(人工知能)処理を担う頭脳には、エッジAIコンピュータ「NVIDIA Jetson Thor (Blackwell)」を搭載した。その上で稼働する知能基盤として、独自の統合AIフレームワーク「Gravity」を採用している。これにより、複雑な作業を具体的な手順に分解する機能と、物理的な影響を事前にシミュレーションする機能を組み合わせて動作を生成する。

頭部にはメインカメラ3基を搭載 頭部にはメインカメラ3基を搭載[クリックで拡大]

 環境認識には、頭部のメインカメラ3基と前後魚眼カメラからなるビジョンヘッドにより、360度の周辺認識を行う。走行時は前後の3D LiDARを活用して3Dシーンの再構成と動的経路計画を実施する。なお、ハードウェアの製造/開発は中国拠点が担い、それを輸入する形で提供している。

ピッキングステーション「PopPick Lite」とGinoの連携 ピッキングステーション「PopPick Lite」とGinoの連携[クリックで拡大]

 同社のブースでは、これまで作業員が行っていたGTP(Goods-to-Person)の仕組みをヒューマノイドに置き換えた、「Goods-to-Robot」の連携プロセスが実演された。

 まず、搬送型AMR(自律移動ロボット)がコンテナを収納した棚を持ち上げ、ピッキングステーション「PopPick Lite」へ搬送する。次に、PopPick Liteが対象のコンテナを自動で引き出し、待機しているGinoの手元へ移動させる。Ginoは前述した環境認識とAI処理により箱の中に入ったタオルを認識し、ハンドでつかみ出し、別のコンテナへと移し替える一連の作業を披露した。

3本指ハンドでモノをつかむ 3本指ハンドでモノをつかむ[クリックで拡大]
1時間当たり240〜300ピースに対応 1時間当たり240〜300ピースに対応[クリックで拡大]

 Ginoのピーク時の処理能力は1時間当たり240〜300ピース程度だという。最大20kgまでのコンテナ搬送にも対応しており、GTPでの受け渡しや庫内補充、ピッキングステーション間の搬送といった業務を想定している。

コンテナ搬送のイメージ コンテナ搬送のイメージ[クリックで拡大]出所:ギークプラス

 今回の実機展示を実現させた背景について、ギークプラスの説明員は既存システムとの統合性の高さを挙げた。

「Ginoは当社が提供するAGVなどと同じ制御システムに統合されている。そのためすでに当社製品を導入している現場であれば、制御用のシステムを新たに追加することなく容易に導入でき、システム構築にかかる初期費用を抑えることが可能だ」(同説明員)

 Ginoはシステム上はすでに販売可能な状態にあり、中国ではすでに一部の現場で実稼働が始まっているという。日本国内においては、関心を示す企業へのテスト導入を順次進めていく方針だ。「まずは2027年度をめどに実際の現場に1台導入して動作や精度を検証し、フィードバックをもとに改善や調整を重ねていくことを想定している」(同説明員)。

 ギークプラスは、株主である北京ギークプラステクノロジーカンパニーリミテッドと、日本資本とのジョイントベンチャーだ。国内でのロボット販売実績は4000台に上る。同社のブースではこの他、次世代高密度保管ソリューション「SkyCube」や、高層ラックのスペースを活用する「RoboShuttle Air」の実機も併せて展示された。

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