矢野経済研究所は、感覚センシングの世界市場を調査し、現況、製品開発および技術動向、参入事業者の動向を明らかにした。2025年の市場規模は286億円を見込み、2035年には3180億円に成長すると予測している。
矢野経済研究所は2026年7月30日、感覚センシング(触覚、味覚、嗅覚)の世界市場を調査し、現況、製品開発および技術動向、参入事業者の動向を明らかにしたと発表した。
2025年の感覚センシング世界市場規模は、メーカー出荷金額ベースで286億円を見込む。市場をけん引しているのは、触覚、力覚、感圧などのハプティクス領域だ。センサー(感じる仕組み)やアクチュエーター(伝える仕組み)などのリアルな感触を生む技術によるデバイスを中心に、スマートフォン向け振動アクチュエーターをはじめ、車載用や医療、FA、協働ロボットへの搭載が本格化している。
味覚センサーは、甘味、うま味、塩味、酸味、苦味を電気信号の電圧変化として数値化する。食品業界のDX(デジタルトランスフォーメーション)やAI(人工知能)を活用した食味の数値化、可視化を支える。人間による官能評価に頼らず味を数値化できるため、品質の均一化や客観的な商品比較が可能になり、職人の技術伝承や食のデータ化に貢献する。
嗅覚センサーは、介護、医療や生活環境分野で実用的な活用事例が出てきている。介護分野ではベッドに敷くだけで排せつのにおいを検知できるセンサーを活用したアプリケーションが製品化されており、生活環境分野では、駅のトイレのにおいを識別できるセンサーにより清掃作業の効率化につなげている。
同社は、専門人材の不足や技術伝承などの課題が深刻化する中、センシング技術が今後さらに進展し、2035年の感覚センシング世界市場規模はメーカー出荷金額ベースで3180億円に成長すると予測している。
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