小型で低コストのCMOS半導体型におい可視化センサーデバイスを試作組み込み開発ニュース

アロマビットは、小サイズかつ低コストのCMOS半導体型においい可視化センサーデバイス「e-Nose型ニオイ可視化センサー」の試作に成功した。京セラの超小型セラミックパッケージ技術を採用している。

» 2024年06月25日 14時00分 公開
[MONOist]

 アロマビットは2024年6月12日、小サイズかつ低コストのCMOS半導体型におい可視化センサーデバイス「e-Nose型ニオイ可視化センサー」の試作に成功したと発表した。京セラの超小型セラミックパッケージ技術を採用している。

 e-Nose型ニオイ可視化センサーデバイスは、多数のセンサー素子上に化学親和性の異なるにおい吸着膜を多数実装し、人の鼻がにおいを判断するのと同様の原理でにおいをデジタルパターン化できる。

 ダイサイズが3.2×3.4mm、センサーエリアは1×1mmで、5万6000素子のセンサーを内蔵する。半導体パッケージサイズは6.0×6.0mmで、従来のアロマビット製品と比べて製品面積が10分の1以下になったため、多様な機器に実装可能だ。

キャプション 「e-Nose型ニオイセンサーデバイス」のセンサー素子とセラミックパッケージ内部(左)、センサーデバイス(右) 出所:アロマビット

 小型化を可能にしたのは、小型チップの開発と京セラが有する超小型セラミックパッケージ技術を用いたチップのシングルパッケージ化だ。さらに、京セラのパッケージ構造技術の採用で、ハウジング構造によるにおいの流路を維持しつつ、さらなる小型化に成功した。ハウジング部分が小さくなったことで、においが希釈されずにセンシングでき、におい感知性能が向上している。

 同試作品は、ML(機械学習)機能を搭載したにおい識別アプリケーション「ScentifAI」と同時に使用すると、高精度なにおい識別機能の実装やにおいデータの活用が可能となる。アロマビットは今後、e-Nose型ニオイ可視化センサーの量産化を目指す。

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