Exotec NihonとMujin Japanは「国際物流総合展2026」において、3次元立体走行ロボットと知能ロボットをソフトウェアで連携させ、倉庫全体を最適化する統合型の物流自動化ソリューションを披露した。
Exotec Nihon(以下、Exotec)とMujin Japan(以下、Mujin)は、「国際物流総合展2026」(2026年9月8〜11日、東京ビッグサイト)において、Exotecの3次元立体走行ロボット「Skypodシステム」とMujinのロボティクス技術を連携させた、統合型の物流自動化ソリューションを披露した。
Skypodシステムは、前後左右および上下に移動できる4輪駆動の自律型搬送ロボット、荷物を収納するストレージ(棚)、オペレーターが作業を行うワークステーション、入出庫を担うエクスチェンジャーで構成される自動ピッキングシステムである。ロボットの耐荷重は約30kgとなっており、ラック内の昇降時は秒速1.5m、地上走行時は秒速4mで移動する。
Exotecのブースでは、Skypodの保管ラックを会場に合わせて高さ7m(10段)で構築した。実際の現場では最大14mの高さまでラックを組むことが可能だ。
荷物を載せたビン(専用コンテナ)は、搬送ロボットによってラック内から搬出されたあと、床面を走行してエクスチェンジャーへと搬送される。搬送されたビンは、エクスチェンジャーを経由してMujinのパレタイズ(荷積み)/デパレタイズ(荷降ろし)ロボットへと引き継がれる。Mujinのロボットは、アーム上部に設置された3Dセンサーで対象物をリアルタイムに認識し、吸着ハンドを用いて異なる種類の段ボールを効率的に混載して積み上げる様子を披露した。
今回の協業の決め手について、Exotecの説明員は「両社に共通する『ソフトウェア開発能力』にある」と語る。Mujinは、多様なロボットや保管システム、ビジョンセンサーなどを統合制御するプラットフォーム「MujinOS」を強みとしており、これを活用したパレット荷役システムやパレット自動倉庫を展開してきた。一方で、ケース単位の自動倉庫システムは自社展開していない。そこに、独自のシステム制御によるケース単位の高密度保管とピッキングに特化したExotecの製品を組み合わせることで、パレットからケース、そして出荷へと至る一連のラインを網羅できるシナジーが生まれるという。
今回のデモンストレーションでは、ExotecのWES(倉庫実行システム)である「Deep Sky」が物流工程全体をオーケストレートする上位システムとして稼働し、その下位システムとしてMujinOSがパレタイズロボットを制御している。しかし、現場の運用や既存システムとの兼ね合いによっては、Mujinのシステムを最上位に配置してSkypodを制御する逆の構成を組むことも可能だ。すでに、両社の製品を組み合わせた導入事例も存在するという。
「昨今の物流現場では自動化やフィジカルAI(人工知能)ロボットへの投資が進む一方、設備が工程ごとに個別導入されることで、システム同士が連携しない『サイロ化』が生じている。今後はそれらをどうオーケストレートするかが問われる時代だ。ソフトウェアに強みを持つ2社によって、各工程の部分最適ではなく、倉庫全体の処理能力を最大化する統合型のソリューションを提供していく」(同説明員)
なお、Exotec Nihonは、フランス発の倉庫自動化システムメーカーであるExotec SASの100%子会社(日本法人)だ。同社とMujin Japanは、2026年8月に業務提携の締結を発表した。
ソフトウェアが工場を変える、統合制御とシミュレーションの融合が何を生むか
ソフトウェアの強さで自動化の波をつかむMujin、感じるユーザーの変化
ユニクロに続きヨドバシカメラも、フランスの物流ロボットを倉庫に導入へ
Mujinが300kg/1500kg可搬のAGVセーフティーモデル追加、製品拡充第2弾
猛追する中国勢、2026年の淘汰――自動化ベンダーの「生存戦略」を問う
物流業務を5倍に高速化、上下に動く3次元走行AGV開発メーカーの「真の強み」Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Factory Automationの記事ランキング
コーナーリンク
よく読まれている編集記者コラム