ソフトウェアの強さで自動化の波をつかむMujin、感じるユーザーの変化FAインタビュー(1/2 ページ)

人手不足が深刻な製造現場や物流現場の自動化で存在感を高めているMujinだ。同社の共同創業者でCEOの滝野一征氏に話を聞いた。

» 2024年10月24日 08時30分 公開
[長沢正博MONOist]

 人手不足が深刻な製造現場や物流現場の自動化で存在感を高めているのがMujinだ。独自の知能化技術を持つ同社のMujinコントローラーが3Dビジョン、ロボットアーム、ハンドやAGV(無人搬送車)などをコントロールし、自律的に動作を行う知能ロボットへと変貌させる。複雑なティーチングを必要とせずに、ロボットを活用したばら積みのピッキングや混載パレタイジング、デパレタイジングなどの自動化を実現する。同社の共同創業者でCEOの滝野一征氏に事業の核や今後の展望などを聞いた。

ユーザーはハードウェア志向からソリューション志向へ

MONOist 現状の事業環境について教えてください。

滝野 2022年から2023年は売り上げが2倍くらいになったが、2023年から2024年も2倍くらいに伸びている。

 2023年から2024年にかけては、ユーザーの考え方がだいぶ変わってきた。これまでのハードウェア、コンポーネント志向から、ソリューション志向に変わってきている。

 つまり、ハードウェアが同じでもソフトウェアが変われば、能力や効率が上がることが浸透してきている。

Mujin CEOの滝野氏 Mujin CEOの滝野氏

 われわれが使っているロボットも10年前と変わっていないが、パレタイジングやデパレタイジングの能力は毎年30〜40%上がっている。これまで混載のパレタイジングが1時間当たり400ケースだったロボットが、制御やハンドを見直すことで1時間当たり800ケースになったケースもある。

 そうなると今まで2台必要だったロボットが1台で済む。ロボットが1台減るだけでなく、そのロボットに付随するコンベヤーなども一気になくなる。ハードウェアがどんどんシンプルになる。

 ソフトウェアが発達すれば専用機が必要だったのが、汎用機で全てのタスクがこなせるようになる。そうなるとIT産業に似てくる。

 昔は文章を書くワープロがあり、音楽を聴くMDプレイヤーがあった。ソフトウェアが発達すると、スマートフォン1つあれば、文章も音楽も動画もパワーポイントも作れるようになった。ソフトウェアが一番大事ということが皆さんが分かってきた。例えば、iPhoneもハードとしては他の機種より劣っている点はあるが、ソフトウェアであるiOSの影響力が比べものにならないほど大きいから選ばれている。

 問題を解決したいなら、ソリューションを作れるところに行かないといけない。そのためのソフトウェアを組めるところにユーザーは来る。そこに皆が気付き始めている。

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