広範な試験ニーズに対応する自動車評価試験設備を開設電動化

堀場テクノサービスは、堀場製作所の本社敷地内に自動車評価試験設備「Vehicle Test Cell」を開設し、2025年4月より本格稼働した。幅広い試験ニーズに対応した総合的な試験設備となっている。

» 2025年05月09日 14時30分 公開
[MONOist]

 堀場テクノサービスは2025年4月22日、堀場製作所の本社敷地内に自動車評価試験設備「Vehicle Test Cell」を開設し、同年4月より本格稼働を開始したと発表した。多様な試験ニーズに対応する総合的な試験施設だ。

キャプション Vehicle Test Cell内の様子[クリックで拡大] 出所:堀場製作所

 この設備では、内燃機関車の排ガス測定や触媒評価に加え、電気自動車(EV)の電力量消費率や走行可能距離の測定、電動バイクや電動キックボードなどの小型モビリティの走行テストにも対応している。また、長時間にわたる連続走行試験にも対応できる装置とエンジニア体制を備えている。

 特に、シャシーダイナモメーター上での走行試験では、ドライバーの操作を代替する同社独自開発の自動運転システムを活用することで、高い再現性と精度を実現しつつ、効率的にデータを取得することが可能であるという。今後は、この「Vehicle Test Cell」を活用し、車両を構成する各ユニットのエネルギーロスを分析するアプリケーションの開発も予定している。

 また、同設備に隣接する堀場テクノサービス本社ビルには、最新機器を備えた分析ラボ「Analytical Solution Plaza」があり、試験前後における部品の劣化状況やその進行プロセスの評価を、車両試験と併せて実施可能だ。両設備を連携させることで、車両試験と部品評価のデータをその場で統合、解析できる体制を作り上げた。

キャプション Analytical Solution Plazaの様子[クリックで拡大] 出所:堀場製作所

 カーボンニュートラル社会の進展に伴い、モビリティ開発は多様化が加速している。それに伴い、部品・素材メーカーに求められる技術水準は一層高度化し、異業種やベンチャー企業の参入も進んでいる。その結果、車両試験から部品評価、さらにはそれらの相関性解析に至るまで、顧客が抱える作業量は増大している。

 こうした複雑かつ多様なニーズに総合的に応えるため、今回の「Vehicle Test Cell」開設に至った。

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