SOLIDWORKSの利点をビジネスに 受注仕様生産を支援する「SOLIDWORKS CPQ」発表3DEXPERIENCE World 2025

ダッソー・システムズは米国テキサス州ヒューストンで開催した年次ユーザーイベント「3DEXPERIENCE World 2025」において、顧客要件に合わせた製品構成と見積書の作成を、AIを活用して支援するソリューション「SOLIDWORKS CPQ」を発表した。

» 2025年03月12日 09時00分 公開
[八木沢篤MONOist]

 ダッソー・システムズは、米国テキサス州ヒューストンで開催した年次ユーザーイベント「3DEXPERIENCE World 2025」(会期:2025年2月23〜26日/会場:ジョージ R.ブラウン コンベンションセンター)の初日のゼネラルセッション(同月24日)において、顧客要件に合わせた製品構成と見積書の作成を、AI(人工知能)を活用して支援するCTO(Configure to Order/受注仕様生産)向けソリューション「SOLIDWORKS CPQ(CONFIGURE、PRICE、QUOTE)」を発表した。

ダッソー・システムズは3DEXPERIENCE World 2025のゼネラルセッションの中で「SOLIDWORKS CPQ」を発表した ダッソー・システムズは3DEXPERIENCE World 2025のゼネラルセッションの中で「SOLIDWORKS CPQ」を発表した[クリックで拡大] 出所:ダッソー・システムズ

 SOLIDWORKS CPQには強力な生成AI機能が統合されており、製品ポートフォリオの管理から開発、製造、販売までをバーチャル上で連携/統合し、カスタマイズ製品の受注〜納品のプロセスを効率化する。提供開始は2025年夏を予定している。

ダッソー・システムズ SOLIDWORKS CEO 兼 R&D担当バイスプレジデントのマニッシュ・クマー氏 ダッソー・システムズ SOLIDWORKS CEO 兼 R&D担当バイスプレジデントのマニッシュ・クマー氏

 ダッソー・システムズ SOLIDWORKS CEO 兼 R&D担当バイスプレジデントのマニッシュ・クマー氏は、SOLIDWORKSの“New Era(新しい時代)”の1つとして、SOLIDWORKS CPQを紹介。「今後SOLIDWORKSは設計や解析、製造の枠を超えて、ビジネスの成長に役立つプラットフォームとして進化する」(クマー氏)とアピールした。

 この言葉が示す通り、SOLIDWORKS CPQはSOLIDWORKSの利点を設計者だけでなく、プロダクトマネジャーや技術営業にももたらし、顧客要件にマッチした製品構成を迅速に定義/設計することが可能で、短時間で正確な見積書を作成できる。これにより、「ユーザー企業はより多くのビジネスを獲得できるようになる」(クマー氏)という。

 また、SOLIDWORKS CPQは、同社が2025年2月に発表した次世代のイノベーションを推進するサービス「3D UNIV+RSES」を構成するバーチャルツイン、バーチャルコンパニオン、ジェネレーティブエクスペリエンス、センスコンピューティングといった最新技術を活用することが可能だ。

 例えば、製品の構成ルールを3DEXPERIENCEプラットフォーム上のバーチャルツインと接続させることにより、設計チームはSOLIDWORKS CPQを使用して、材料選定や構造強度、供給状況、価格設定といった各種要素を迅速かつ容易に検討できる。一方、技術営業は正確な見積書を作成できるとともに、3Dで構成された製品をXR環境を通じて提示することが可能となり、最終的な意思決定の迅速化につなげられる。

「SOLIDWORKS CPQ」の活用イメージ 「SOLIDWORKS CPQ」の活用イメージ[クリックで拡大] 出所:ダッソー・システムズ

 その他、SOLIDWORKS CPQは市場動向や顧客ニーズの変化に応じた製品定義を柔軟に更新でき、見積もり承認プロセスの効率化や受注遅延の削減に寄与する機能なども提供する。

(取材協力:ダッソー・システムズ)

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