ダッソー・システムズ主催の年次ユーザーイベント「3DEXPERIENCE World 2025」が米国テキサス州ヒューストンで開幕した。本稿では2日目(現地時間:2025年2月25日)のゼネラルセッションのうち、今回新たに発表された「Virtual Companions」とその1つである「AURA」の話題を中心に取り上げる。
3D製品開発ソリューション「SOLIDWORKS」と、プラットフォームの力でSOLIDWORKSの機能を拡張するポートフォリオ「3DEXPERIENCE Works」の年次ユーザーイベント「3DEXPERIENCE World 2025」(会期:2025年2月23~26日/会場:ジョージ R.ブラウン コンベンションセンター)が米国テキサス州ヒューストンで開催された。
本稿では「3DEXPERIENCE Works in Action」をテーマに、同年2月25日(現地時間)に行われた2日目のゼネラルセッションのうち、今回新たに発表されたAI(人工知能)を活用した仮想空間のアシスタント機能「Virtual Companions」と、その1つである「AURA(オーラ)」の話題を中心に取り上げる。
2日目のゼネラルセッションに登壇したダッソー・システムズ SOLIDWORKS CEO 兼 R&D担当バイスプレジデントのマニッシュ・クマー氏は、同社の3DEXPERIENCEプラットフォーム上に組み込まれたVirtual Companionsとその1つであるAURAが、設計と製造プロセスの在り方をどのように再構築するかについてあらためて言及した。
現実世界で何かの製品を組み立てようとした場合、作業者が実際に部品やコンポーネントなどの必要なものを集め、それらを確認しながら最適な配置や組み立て手順を考える必要がある。これは非常に手間の掛かる作業であり、それらの検討には経験やノウハウも求められる。
これに対して、AURAを活用したアプローチでは、ツールの画面上からAURAを呼び出し、対話形式でいくつかの質問に答えるだけで、バーチャル空間上に、製品に必要な構成要素(パーツ、サブアセンブリ、アセンブリなど)を取得でき、さらに最適な配置や手順を判断した上で、完全に組み立てられた状態の製品モデルを素早く作ることができる。「AURAと、ジェネレーティブメカニカルアセンブリの機能を用いればバーチャル空間上で、現実世界と同じことができる」(クマー氏)。
さらに、AURAは製品設計の早い段階で、現実世界のさまざまな事象を加味し、部品や製品の潜在的な問題点を抽出して強調表示してくれる。講演中に示されたデモ映像では、既存製品に組み込まれたハンドル(持ち手)部分の写真を撮ると、ジェネレーティブ3Dパーツ機能がその写真を基に、正確なバーチャルツイン(3Dモデル)を生成し、AIバーチャルテスト機能を介して構造解析の結果を示すまでの一連の流れを紹介した。「AURAを用いたAIベースのバーチャル検証/シミュレーションは、製品を構成する各コンポーネントが意図した通りに機能することを保証してくれる」(クマー氏)。
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