ダッソー・システムズ主催の年次ユーザーイベント「3DEXPERIENCE World 2025」が米国テキサス州ヒューストンで開幕した。本稿では初日(現地時間:2025年2月24日)のゼネラルセッションにフォーカスし、ダッソー・システムズ、「SOLIDWORKS」および「3DEXPERIENCE Works」のキーマンの発表内容を中心にお届けする。
3D製品開発ソリューション「SOLIDWORKS」と、プラットフォームの力でSOLIDWORKSの機能を拡張するポートフォリオ「3DEXPERIENCE Works」の年次ユーザーイベント「3DEXPERIENCE World 2025」(会期:2025年2月23~26日/会場:ジョージ R.ブラウン コンベンションセンター)が米国テキサス州ヒューストンで開幕した。
本稿では「Strategy and Direction」をテーマに、同年2月24日(現地時間)に行われた1日目のゼネラルセッションにフォーカスし、ダッソー・システムズ、SOLIDWORKSおよび3DEXPERIENCE Worksのキーマンの発表内容を中心にお届けする。
1日目のゼネラルセッションのトップバッターは、ダッソー・システムズ 3DEXPERIENCE Works&CRE(Customer Role Experience)担当 シニアバイスプレジデントのジャン・パオロ・バッシ氏が務め、Boston Dynamicsの四足歩行ロボット「Spot」とともに登場し、来場者に向けてあいさつをした。
特に今回は、SOLIDWORKSの最初のバージョンが1995年に発表されてから30周年を迎えたこともあり、長年支え続けてくれたユーザーやコミュニティーに対し、バッシ氏は「われわれは30年前に『3D設計を誰もが使えるようにする』という目標を掲げたが、近年のユーザー企業やスタートアップの増加を見ると、その夢が実現に近づいていると感じている。それはわれわれのビジョンを後押ししてくれるユーザーからのフィードバックやサポート、熱意のおかげだ」と感謝の言葉を述べた。
そして、SOLIDWORKSは単なる設計ツールとしてではなく、包括的なプラットフォームとして機能し、ユーザーのモノづくりに広く役立てられ、その中で、生活を大きく変えるような革新的なプロダクトが生まれていることを強調。その代表例としてSpotを挙げ、危険な場所での検査や災害現場での救助支援、遺跡調査などで活用されている状況を紹介した。
続けて、バッシ氏は1990年代の製品開発現場の状況を振り返り、「多くの企業にとってのボトルネックは設計精度であり、試作や実地での検証に多くの労力と時間を要し、そこには非常に大きなコストがかかっていた」(バッシ氏)と述べた上で、SOLIDWORKSがそうした状況を変え、3D CADによる設計から、シミュレーション、データ管理、デジタル製造へと提供価値を広げていったことに触れた。
また、いつでも最新の情報とソリューションに安全にアクセスできることが求められる現在の状況に対し、バッシ氏は「われわれは過去10年間にわたり、設計から製造までの全てのソリューションを単一環境に統合して提供するSOLIDWORKSの開発に取り組んできた」と述べ、これまでの歩みを振り返った。
さらに、近年の製品開発の現場は、優れた製品をより早く、より安価に提供することが強く求められるだけでなく、労働者不足、サプライチェーンの混乱、コスト上昇、サイバーセキュリティの脅威、技術トレンドへの追従といった難しい課題に直面しており、その解決策が強く求められているという。
このような切実な要求に対し、ダッソー・システムズは現場課題をきちんと把握、理解しており、「再びゲームを変える準備ができている」(バッシ氏)とアピール。その具体的な施策について、バッシ氏の次に登壇したダッソー・システムズ CEO(最高経営責任者)のパスカル・ダロズ氏が説明した。
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