クマー氏は来場者に対して「スケッチを開始したばかりの段階で、細部まで拘束を追加するのに貴重な時間を費やしていないか?」と問い掛け、「そのような場合は、生成AIを活用すべきだ」(クマー氏)と訴える。
クマー氏が示したデモ映像では、Webブラウザベースの設計ツール「xDesign」(「SOLIDWORKS Cloud Offer」に含まれるアプリで、SOLIDWORKSとの相互運用が可能)上に表示された3Dモデルの上に直接スケッチを描くと、ジェネレーティブスタックディメンション機能によって、全ての線や円などが自動的に拘束される様子を紹介。このように手間の掛かる作業を自動化することで、「設計者はより創造的な作業に集中できるようになる」(クマー氏)という。
部品の設計が完了し、CNCで加工するためのツールパスを用意する際にも、AI(Virtual Companions)が力を発揮する。ジェネレーティブNCマシン機能が、パラメーター調整や加工時間の最適化などを行い、熟練の加工担当者レベルの精度の高いツールパスを作成してくれる。
「ここまで紹介したアプローチは、xDesignとAURA、生成AI、Virtual Companionsの技術に基づき提供されるものだ。新たなソリューションを通じ、コンセプトから創造へのジャーニーを提供する」(クマー氏)
さらに、クマー氏はSOLIDWORKS上で、メッシュ形状を完全に編集可能な3Dのパラメトリックモデルに変換する機能の開発が進められていることも紹介した。「この機能が完全に開発されると、メッシュ形状からネイティブのパラメトリック3Dモデリング環境へシームレスに移行できるようになり、大幅な作業効率化が図れる」(クマー氏)。
AURAは、これまでの業務のやり方を大きく変える可能性を秘めており、クマー氏は「SOLIDWORKSモデルのコンテキストで機能する唯一のAIツールだ」と強調する。
上記の他にも、AURAと対話をしながら、設計した3Dモデル(バーチャルツイン)を基に、プロモーションやマーケティング向けのフォトリアリスティックなレンダリング画像の生成が行える機能を紹介。「マテリアルや背景、照明などを手動で設定する必要はない。求めるシーンをテキストプロンプトで入力するだけで、AURAが完全にレンダリングされたCG画像を生成してくれる」(クマー氏)。
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