ダッソー・システムズは、同社のIP(知的財産)ライフサイクル管理機能「POWER’by」の中核に、複数の生成AIを組み込んだ新サービス「3D UNIV+RSES」の提供開始を発表した。
ダッソー・システムズは2025年2月4日(現地時間)、同社のIP(知的財産)ライフサイクル管理機能「POWER’by」の中核に、複数の生成AI(人工知能)を組み込んだ新サービス「3D UNIV+RSES(3Dユニバース)」の提供開始を発表した。
同社は2040年までに目指すビジョンとして生成経済(ジェネレーティブエコノミー)の実現を掲げており、3D UNIV+RSESはそのマイルストーンとして位置付けられている。3D UNIV+RSESの導入により、企業は自社が保有する3Dデザイン、バーチャルツイン、PLMデータなどを新たなデジタル環境で最大限に活用できるようになる。
3D UNIV+RSESによって実現する新たなデジタル環境は、Generative Experiences(GenXp)、Virtual Companions(仮想空間のアシスタント機能)、Virtual Twin Experience as a Service(VTaaS)など、ダッソー・システムズが提供するExperience as a Service(XaaS)におけるサービス/ソリューションの活用に適した設計になっているという。また、「POWER’byAI」機能および複数AI搭載の業界向けプラットフォーム「3DEXPERIENCEプラットフォーム」(製造業向け)、「MEDIDATA」(ライフサイエンス/ヘルスケア業界向け)、「CENTRIC」(消費財/食品業界向け)を通じて、企業の知識とノウハウを可視化/生成し、迅速に展開できる安全な環境を提供するとしている。
同社が掲げる生成経済とは、生命/自然の営みや仕組みからヒントを得て、単に消費するのではなく生成し、地球に還元していくことを意味する。そして、同社の「3DEXPERIENCEプラットフォーム」とアプリケーションを通じたバーチャルツインがもたらしてきた経験経済(エクスペリエンスエコノミー)と循環経済(サーキュラーエコノミー)の融合により成立するものだという。このとき重要となるのが、企業の知識とノウハウが詰まったIPであり、企業の差別化に欠かせない要素であるとともに、生成経済の中では“通貨”として機能するような経済価値となり得る。
3D UNIV+RSESは生成経済を促進/実現するものであり、AIの学習機会によって生成経済の実現を加速させるという。モデリング、シミュレーション、現実世界のデータ、AIが生成するコンテンツを総体的に組み合わせ、バーチャルとリアルの融合/相互作用を可能にする。さらに、安全性の高い環境を提供し、複数のバーチャルツインを結合してシミュレーションを実施したり、IPを保護しながらマルチAIエンジンの訓練を行ったりすることも可能だという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.