ダッソー・システムズは年次イベント「3DEXPERIENCE FORUM JAPAN 2024」に併せてプレスブリーフィングを開催。ベルナール・シャーレス氏に代わって、2024年1月からCEOに就任したパスカル・ダロズ氏が同社のビジョンや方向性などについて語った。
ダッソー・システムズは2024年11月7日、同日行われた年次イベント「3DEXPERIENCE FORUM JAPAN 2024」に併せてプレスブリーフィングを開催し、ベルナール・シャーレス氏に代わって、同年1月からCEO(最高経営責任者)に就任したパスカル・ダロズ氏が同社のビジョンや方向性などについて説明した。
1995年から28年間にわたりCEOを務めてきたシャーレス氏からCEOのバトンを受け取ったダロズ氏は、2020〜2023年までの間、COO(最高執行責任者)およびオペレーションズ・エグゼクティブ・コミッティの責任者を務め、2023年にはDeputy CEO(副最高経営責任者)に就任している。ダッソー・システムズへの入社は2001年。Deputy CEO 兼 COOとして、製造業、ライフサイエンス&ヘルスケア、都市/インフラの3つの主要領域において、戦略に関わる全組織の変革を指揮してきた人物だ。
冒頭、ダロズ氏は「ダッソー・システムズは、バーチャルとリアルの統合を意味する『UNIV+RSE(ユニバース)』の構築を目指しており、製造業、ライフサイエンス&ヘルスケア、都市/インフラの3つの重点領域に対して取り組みを推進している」と述べ、新たなニーズに対応できる産業界のゲームチェンジャーとなり、顧客企業とともにリーダーシップを発揮していくことの重要性を説く。
そして、そうしたビジョンに基づく実績として「われわれのソフトウェアを一切使わずに、製品を開発して、テストし、認証を得て、販売までこぎつけられるものは、シャンプーボトルであっても、クルマであっても1つもない。ライフサイエンスの領域ではわれわれのソフトウェアを使って75%(2023年実績)もの新薬が開発/承認されている。さらに、こうした広がりは都市やインフラ領域にも拡大しており、日本では京都府とスマートシティーづくりに向けた取り組みも進めている」とダロズ氏は説明する。
続けて、ダロズ氏はダッソー・システムズが世界有数のグローバル企業であることをあらためて強調。「世界約36万5000社の顧客および約2500万人ものユーザーを抱え、約1万7000社のパートナーを有し、学生支援では年間1100万人以上を、スタートアップ支援では1万社をサポートする広範なエコシステムを擁している」(ダロズ氏)という。
そして、日本市場にフォーカスすると、自動車、産業機器、航空宇宙分野だけでなく、消費財、コンシューマー向けパッケージ製品、ライフサイエンスなど、約2万社の顧客がおり、50万人ほどの学生支援、約100社のスタートアップ支援などを展開している。
さらに、ダロズ氏はAI(人工知能)についても言及。「皆さんもよくご存じの通り、AIは非常に大きなトピックだ」(ダロズ氏)とし、ダッソー・システムズでは、同社のビジネスイノベーション基盤である「3DEXPERIENCEプラットフォーム」上で、モデリングとシミュレーション(MODSIM:モデリング&シミュレーションの造語)、そしてAI/生成AIを組み合わせたユニークな取り組みを推進しているという。
ダロズ氏は「われわれは、部品、製品、製造、都市、新薬といったあらゆる設計開発に役立つ環境を3DEXPERIENCEプラットフォームを介して提供する。3DEXPERIENCEプラットフォームはバーチャルツインを構築するためにモデリングとシミュレーション、AIをつなげ、バーチャルとリアルを接続するものだ」と述べ、新たな知見やノウハウの創出が可能となる、バーチャルとリアルを融合するプラットフォームの有効性を強調した。
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