レゾナックは、半導体の前工程や後工程で、ウエハーなどをガラスなどのキャリアに一時的に固定するための仮固定フィルムとその剥離プロセスを開発した。
レゾナックは2024年9月19日、半導体デバイスの製造工程(前工程)や半導体パッケージング工程(後工程)で、ウエハーなどをガラスなどのキャリアに一時的に固定するための仮固定フィルムとその剥離プロセスを開発したと発表した。
今回の技術は、キャリアからウエハーなどを剥離するために、キセノン(Xe)フラッシュ光照射を利用しており、ウエハーからパネルのサイズまで適用可能だ。また、一般的なレーザー照射に比べ、短時間かつ「すす」のような異物を出さずに剥離できるクリーンな技術で、日本、米国、韓国、中国、台湾地域で、特許を取得している。
今後同社は、新規仮固定プロセスの構築を共に進めていける開発パートナーを探すとともに、新規仮固定フィルムやその剥離プロセスの市場展開を目指す。
先端半導体の前工程と後工程では、作業性を向上するためにウエハーやチップを仮固定材としてガラスなどのキャリアに一時的に接着する。そして、さまざまな加工プロセスを経て、ウエハーやパッケージは仮固定材とともにキャリアから剥離される。このため、仮固定材はあらゆる加工プロセスへ適合可能なことや、残留物を容易に除去できることが求められる。
さらに、剥離方式としては、高い歩留まりと生産性を実現するために、ウエハーやパッケージにダメージを与えることなく、短時間で剥離できる必要がある。加えて、昨今、後工程でも前工程と同様にクリーンなプロセスが求められており、一般的なレーザー照射による剥離方式で発生する「すす」が課題となっている。
そこで、レゾナックは今回の仮固定フィルムとその剥離プロセスを開発した。この仮固定フィルムは、高い耐熱性と耐薬品性を備え、仮固定時は十分な接着性を示し、キャリアから剥離した後は常温で簡単に、残留物を残すことなく剥がすことができる。
また、キャリアから剥離する方式としては、大きな面積に一括照射が可能で、瞬間的に高いエネルギーを出力できるXeフラッシュ光照射を採用している。これにより、ガラスキャリア上に形成した金属層を局所的に加熱/変形させることによって、ウエハーやパッケージに熱や物理的な負荷をかけることなく、短時間で剥離可能。さらに、樹脂分解を伴うことなく剥離できるため、レーザー照射時に発生する「すす」のような異物が発生しないクリーンなプロセスとなっている。
なお同社では、今回の仮固定フィルムやその剥離プロセスが、メモリ半導体、ロジック半導体、パワー半導体、先端半導体パッケージのいずれの製造工程でも適合するとしている。
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