レゾナックのリチウムイオン電池用バインダーがトヨタのハイブリッド車に採用材料技術

レゾナック・ホールディングスは、事業会社のレゾナックのリチウムイオン電池用バインダー「ポリゾール LBシリーズ」が、プライムアースEVエナジーのリチウムイオン電池の部材として初めて採用されたと発表した。

» 2024年04月05日 09時30分 公開
[遠藤和宏MONOist]

 レゾナック・ホールディングスは2024年4月4日、事業会社のレゾナックのリチウムイオン電池用バインダー「ポリゾール LBシリーズ」(以下、ポリゾール LB)が、プライムアースEVエナジーのリチウムイオン電池の部材として初めて採用されたと発表した。同電池は、トヨタ自動車が今後販売する一部のハイブリッド自動車(PHEV)に搭載される。

採用されたグレードは電気抵抗をさらに低減

「ポリゾール LBシリーズ」 「ポリゾール LBシリーズ」 出所:レゾナック・ホールディングス

 近年、グローバルでカーボンニュートラルに向けた取り組みが活発になっていることを受けて、PHEVや電気自動車(EV)などの普及が加速している。この普及に伴い、PHEVやEVに搭載されるリチウムイオン電池には、より大きな電流で充放電できること、つまり、高い入出力特性が求められている。

 一方、ポリゾール LBは、レゾナックが保有する水系エマルジョン製品群のうち、リチウムイオン電池用に特化した製品だ。同製品は、リチウムイオン電池の負極に使用されており、活物質間や活物質と集電箔間を接続することで、負極の構造を維持する。

「ポリゾール LBシリーズ」の負極の模式図 「ポリゾール LBシリーズ」の負極の模式図[クリックで拡大] 出所:レゾナック・ホールディングス

 また、優れた低抵抗性能、温度特性、負極集電箔との高密着性などの特徴を持ち、リチウムイオン電池の高入出力特性化、長寿命化に貢献。プライムアースEVエナジーに採用されたグレードは、さらに電気抵抗を低減し、大きな電流を通せるようにしたもので、大電流での充放電ができる。

 なお、レゾナックがこれまでに培ってきたポリマー設計、電池評価技術などを活用し、バインダーの組成/粒子構造を最適化したもので、この製品性能が評価され、採用に至った。

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