前項の風車の性能に関する3つの式(式18、式19、式20)を「Modelica」でテキスト表現すると以下となる(リスト1)。ここでは、周速比λ=3、パワー係数Cp=0.3、翼長r=30m、増速比Gr=100とし、風速v=10m/sと15m/sについて解析した。
model windTurbine import Modelica.Constants.pi; Real P; Real A; Real T; Real Tg; Real OMGg; Real OMGm; Real I; Real V; Real Pc; parameter Real RAM=3; parameter Real Cp=0.3; parameter Real r=30; parameter Real v=15; parameter Real KT=2; parameter Real KE=2; parameter Real E=100; parameter Real Ro=1.29; parameter Real Gr=100; parameter Real R=0.033; equation P=(1/2)*Ro*A*v^3*Cp; A=pi*r^2; T= (1/2)*Ro*A*v^2*Cp*r/RAM; Tg=T/Gr; OMGg=(E/KE)+R*Tg/KE/KT; I=(KE*OMGg-E)/R; V=KE*OMGg; OMGm=OMGg*60/2/pi; Pc=Tg*OMGg; end windTurbine;
リスト1を実行した結果、風速v=10m/sでの出力(パワー)は0.53MW、風速v=15m/sでの出力(パワー)は1.87MWであり、パワーはほぼ風速の3乗に比例している。
上記の解析に使用した風車を用いて“風車で自給自足する街”を考えると、図13のようになる。
このように簡単な解析で、例えば、エネルギー問題を定量的に考察することができる。なお、直径1mの小型風車について評価すると、出力は約100Wで稼働率を考えると実用的ではないことも分かる。 (次回へ続く)
大富浩一(https://1dcae.jp/profile/)
日本機械学会 設計研究会
本研究会では、“ものづくりをもっと良いものへ”を目指して、種々の活動を行っている。1Dモデリングはその活動の一つである。
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