SOLIDWORKSの年次ユーザーイベント「3DEXPERIENCE World 2023」が米国テネシー州ナッシュビルで開幕した。実地での開催は3年ぶりとなる。
2023年2月12日(米国時間)、3D設計/製造ソリューション「SOLIDWORKS」の年次ユーザーイベント「3DEXPERIENCE World 2023」(会期:同年2月12〜15日/会場:Music City Center)が、カントリー音楽の聖地として知られる米国テネシー州ナッシュビルで開幕した。実地での開催は3年ぶりとなる。
前回の実地開催は、長年親しまれてきた「SOLIDWORKS World」というイベント名称から初めて「3DEXPERIENCE World」に変更された2020年2月開催の「3DEXPERIENCE World 2020」(開催地も同じナッシュビル)となる。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックによって移動が制限されていた2021年、2022年はオンラインで実施されてきた。
イベント名称の変更が発表された最後のSOLIDWORKS Worldの中で、プラットフォームの価値をSOLIDWORKSユーザーにもたらす新たなポートフォリオ「3DEXPERIENCE Works」が打ち出されて以降、イベントの方向性もSOLIDWORKS全面というよりも、ダッソー・システムズの「3DEXPERIENCEプラットフォーム」とのシナジーがもたらす価値、SOLIDWORKSの新たな方向性を示すイベントへと生まれ変わった印象だ。
こうした変化は人事の面でも表れている。昨年(2022年)オンライン開催された「3DEXPERIENCE World 2022」の中で、これまで約7年間SOLIDWORKSブランドの最高経営責任者(CEO)を務めてきたGian Paolo Bassi(ジャン・パオロ・バッシ)氏が、新たに3DEXPERIENCE Works担当 エグゼクティブバイスプレジデントとなり、その後任として、SOLIDWORKS R&D(研究開発)担当バイスプレジデントでもあるManish Kumar(マニッシュ・クマー)氏がSOLIDWORKSの新CEOに就任するという人事が発表された。
この人事発表から、クマー氏がSOLIDWORKSのR&Dとユーザーコミュニティーとの橋渡し役となり、ユーザー目線でのSOLIDWORKSポートフォリオの強化/拡充に努め、これまでSOLIDWORKSブランドをけん引し、これまでSOLIDWORKSの成長を支えてきたバッシ氏が3DEXPERIENCE Works製品を主導して、さらなる強化を図っていくという両輪により、SOLIDWORKSユーザーに対してプラットフォームの価値をより一層広めていきたいという考えが見て取れる。
今回の3DEXPERIENCE World 2023の初日(現地時間:2023年2月13日)のゼネラルセッションでは、バッシ氏やクマー氏が登壇し、“人間の想像力の限界を超える世界をバーチャルで実現するテクノロジー”について、最新の3DEXPERIENCE Works製品のトピックスなどを交えながら説明。また、ゲストスピーカーとして、Amazon.com傘下のスマートホームセキュリティ「Ring」を創設したJamie Siminoff(ジェイミー・シミノフ)氏が登場し、ガレージでの開発から現在に至るまでの成長の物語について紹介する。
2日目のゼネラルセッションは、3DEXPERIENCE Works製品ポートフォリオの価値をSOLIDWORKSユーザーにより分かりやすく伝えるために、「設計の未来」「限界のないシミュレーション」「製造の未来に貢献」という3つのセッションで構成。それぞれユーザー事例などを交えながら、3DEXPERIENCE Works製品で既に実現可能な少し先を見据えたモノづくりの未来の姿を取り上げる。
そして、最終日のゼネラルセッションでは、宇宙物理学者であり、元プロのポーカープレイヤーでもあるLiv Boeree(リヴ・ボアレー)氏がゲストで登場する。さらに、次期バージョンに搭載予定の新機能などを紹介するテクノロジープレビューなども予定されている。
MONOistでは、会期中の速報記事や会期後のレポート記事などを順次掲載していく予定だ。
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