富士フイルムと東京都健康長寿医療センターは、眼鏡型ウェアラブルデバイスとAIを活用した、認知症スクリーニング検査手法の臨床試験を開始した。目や体の動きに関するデータを用いて、認知症疑いの判定手法の構築を目指す。
富士フイルムは2022年11月7日、東京都健康長寿医療センターと共同で、眼鏡型ウェアラブルデバイスとAI(人工知能)を活用した、認知症スクリーニング検査手法の臨床試験を開始した。同デバイスで計測した目や体の動きに関するデータを用いて、認知症疑いの判定手法の構築を目指す。
今回の研究では、認知症の中核症状の1つである運動機能の低下に着目。認知症患者約100人を対象に、高精度センサーを搭載した眼鏡型ウェアラブルデバイスを使用して目や体の動きに関するデータを収集する。
認知症患者の視線移動やまばたきの回数、頭部の傾き、歩行時の左右バランスといったデータをAIで解析し、認知症の疑いに有効なデータ指標を特定する。また、特定したデータ指標を用いて、認知症疑いを判定するアルゴリズムを構築。そのアルゴリズムを基に、判定のための症例収集および評価の実施を計画している。
眼鏡型ウェアラブルデバイスは、ジンズが機器を提供。富士フイルムでは、受診者にとって負担が少なく、簡便な認知症スクリーニング検査手法の確立を目指すとしている。
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