神戸製鋼所は、新型のアークイオンプレーティング装置「AIP-iX」シリーズを2023年春に発売する。新開発の装置や成膜プロセスにより、硬質なAlCrN皮膜のコーティングが可能になり、従来品に比べて生成する皮膜を長寿命化できる。
神戸製鋼所は2022年10月17日、新型のアークイオンプレーティング装置(AIP)「AIP-iX」シリーズを発表した。従来品に比べ、生成する皮膜を長寿命化できる。2023年春より販売を開始する予定だ。
AIPはPVDコーティング技術の1つで、切削工具や金型、機械部品などに硬質皮膜を施す表面処理技術だ。切削工具には、代表的な皮膜としてAlCrN(窒化アルミクロム)が用いられているが、皮膜の金属元素のうちAl(アルミ)の含有量が多くなると(おおむね65at%以上)、硬度が低下するという課題があった。
AIP-iXシリーズは、新開発の装置や成膜プロセスにより、Al含有率が70at%以上でも、皮膜構造が高硬度な立方晶を維持できる。これにより、硬質なAlCrN皮膜のコーティングが可能になった。性能に特化したハイエンド工具に比べ、生成する皮膜の寿命が約1.5倍向上している。
同社のPVDコーティング装置は、世界で600台以上の導入実績がある。今後、工具メーカーが新型のAIP-iXシリーズを導入することで、切削工具の寿命向上や機械加工の高速化につながる。
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