約300km遠隔の制御周期20msとAI検査を達成、IOWNとクラウドPLCで
NTTは2025年11月10日、同社のIOWN構想の中核技術「All Photonics Network(APN)」「RDMAアクセラレーション技術」と、東芝のクラウド型PLC(プログラマブルロジックコントローラー)「Meister Controller Cloud PLCパッケージ typeN1」を組み合わせ、約300km離れた生産設備を制御周期20MS秒以内で制御する実験に成功したと発表した。AI(人工知能)外観検査についてもフレームレートで4FPS(250ms)を達成し、ローカル環境と同水準の処理時間を確保した。
製造業界における遠隔制御は、一般的に100msから1秒程度が多い。今回の実験で20ms周期を達成したことで、自動車製造分野をはじめとする高速生産ラインへの適用が可能になる。AI外観検査では、NTTドコモソリューションズの画像認識AI「Deeptector」を用い、APNとRDMAアクセラレーション技術により、遠隔地でもローカル同等の判定速度を維持した。
両社は制御ソフトと外観検査AIのクラウド移行を進めることで、設備管理工数の削減や複数工場の統合管理を可能にする。クラウド上でPLCの設定情報を管理できるため、新設設備や設定変更にも柔軟に対応する。
「IIFES 2025」(2025年11月19〜21日、東京ビッグサイト)の東芝ブースでも同技術について展示する。両社は今後、APNを活用したクラウド型PLCサービスの実装に向けて体制を固め、2027年度以降の実用化を目指す。
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