FingerVisionは、同社の視触覚センサーを搭載した葉物野菜収穫ロボットを開発した。滑りの感覚を用いて、つかみ加減を安定制御することで、これまで自動化が難しかった葉物野菜の収穫、移載を高い成功率で実行する。
FingerVisionは2025年11月5日、視触覚技術を用いた葉物野菜収穫ロボットを開発したと発表した。また、人工光型植物工場を運営するプランテックスの要請を受け、プランテックスの施設に同ロボットを導入した。
レタスなどの葉物野菜は柔らかく形状に個体差があるため、従来の植物工場では収穫の自動化が難しかった。FingerVisionは、自社の視触覚センサーをロボットハンドに組み込み、力や滑りの感覚をフィードバック制御に利用することで、つかみ加減を調整し安定して把持できるようにした。制御の最適化により、レタスを切断して収穫する、収穫物を把持して移載するという一連の作業を高い成功率で実行する。
視触覚センサーには、カメラ画像を基に触覚情報を再現する独自技術を採用。同技術を指先に搭載したロボットハンドは、人が手で物に触れているような感覚制御が可能だ。
視触覚センサーは高分解能で多様なデータを取り扱える機能を持ちながら、経済性に優れる。その名の通り、触覚とともに対象物を見る「視覚」を備えており、産業用ロボットや自動化システムに幅広く応用できる。
FingerVisionは、今後も農業分野を中心に自動化技術を拡充し、植物工場をはじめとする生産現場の人手不足解消や作業効率化に貢献する。
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