マクセルは、磁気センサーで手指の巧緻運動を定量化する技術を活用し、両手の親指と人差し指のタッピング運動から、軽度認知障害者に特有の運動パターンの抽出に成功した。
マクセルは2022年8月24日、磁気センサーで手指の巧緻運動を定量化する技術を活用し、両手の親指と人差し指のタッピング運動から、軽度認知障害(MCI)者に特有の運動パターンの抽出に成功したと発表した。国立長寿医療研究センター、日立製作所との共同研究による成果だ。
指のタッピング運動の計測には、マクセルが2019年に製品化した「磁気センサ型指タッピング装置 UB-2」を使用。算出可能な特徴量は44種類で、詳細な指タッピング運動を容易に評価できる。
研究では、MCI者と健常高齢者の各173人を対象に、指タッピング運動の特徴量を比較した。その結果、両手交互タッピング時のタッピング回数、タッピング間隔の平均値、タッピング間隔の標準偏差、すくみ回数などで有意差が認められた。
また、モデル予測の正確度を評価するROC解析から、MCI者と健常高齢者を区別するカットオフ値が得られた。MCI者と健常高齢者の各特徴量のカットオフ値を比較することで、MCIに特徴的な認知機能低下を高精度に検出できることを確認した。
今回の成果により、MCI者の早期発見につながる検査方法の確立が期待される。
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